タフなゲームだった。前節、湘南は敵地で水戸と対戦した。球際で勝り、チャンスも演出したが、相手も集中力高く堅陣を築き、なかなかゴールには届かない。勝負を決めたのは後半、カウンターやセットプレーによる相手のチャンスを凌ぐ一方で、宇佐美宏和の絶妙なクロスに武富孝介がしかと合わせた。
「何度かチャンスがあったなかで、集中力を切ることなくやり続け、逃さずに決めることができてよかった」殊勲の武富は試合後、振り返っている。79分、この日最もゴールに迫っていたストライカーによる、値千金の一撃だった。
試合後、曹貴裁監督はこんなふうに語った。
「最後まで攻撃的に戦う、足を止めずにハードワークするという愚直なプレーを最後まで続けてくれた選手たちを誇りに思います。選手たちのその姿勢が勝点3に繋がったと思う」
そのまえの試合、ホームで行われた前々節の京都戦が思い出される。3−0で勝利こそ得たものの、指揮官は攻撃面について冷静に指摘していた。
「アタックが独奏になってしまった。2回のチャンスで2点取れる力があるなら、それを10回も20回も続けてくれたほうが僕のなかでは良いと思っています」
何度も愚直にチャレンジし続けること。相手にとって危険なエリアに1度ならず2度、3度と繰り返し入っていくこと。個々の特長の発露とチームを忘れないことの両輪。湘南のベースにある、大切な姿勢。チーム力はそうして太くたくましくなっていく。その意味で前節の水戸戦は、前の試合の反省を抱いてピッチに臨み、苦しみはしたが内容と結果を掴んだ一戦と言えた。
もちろん完璧はなく、ピンチもあった。相手の対策も今後さらに強められていくだろう。攻撃も守備も、質を磨く作業はこれからも変わらずに続いていく。
その湘南が今節BMWスタジアムに迎えるのは、現在勝点20で4位につける栃木だ。第9節・ホーム水戸戦には敗れたが、以降、愛媛を1−0で、前節は札幌を2−1で降し、混戦模様の上位争いを引っ張っている。
湘南(4)、水戸(7)に次ぐ失点数の少なさ(8)に表れているとおり、彼らの守備意識は高い。切り替え素早くボールを奪いに行き、体を張るなどゴール前も堅い。転じればチームトップスコアラーの瀬沼優司を中心に攻撃に出る。反面、先制点を許したゲームはいずれも敗れており、ここまで1試合を除いて先にリードを奪っている湘南とともに、先制点の行方はひとつの見どころとなろう。
水戸戦に臨むにあたり、曹監督は一致団結をテーマに話をしたという。またあるときには、サッカーを楽しむ気持ちの大切さを選手たちにあらためて伝えている。彼らが抱くプレッシャーに想像は届かぬが、支えとなる何よりは、ホームのパワーに違いない。ゴールデンウィークの締めくくり、スタジアムの熱が彼らを後押しする。
以上
2014.05.05 Reported by 隈元大吾
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