前節、アウェイの松本戦に敗れた愛媛は今季初の連敗。ゴールデンウィーク4連戦も、最後の一戦を残して1分2敗と負け越してしまった。チームは厳しい状況に陥りつつあるが、悲観するにはまだ早い。結果が最重要であることは百も承知だが、その結果をつかむまでに至るプロセスは必ずしも悪くない。前節の松本戦にしても、前回のホーム栃木戦にしても、我慢強くボールを動かしながらゴールに迫った。チームの半数以上のメンバーを入れ替えて挑む、石丸愛媛の2年目。攻撃に関しては、ゆるやかな右肩上がりではあるものの、着実に昨季積み上げていったレベルを取り戻しつつある。
一方で、守備に関しても数字だけ見れば11失点はリーグ6位タイの好成績。大崩れすることなく組織で戦えてはいるが、ここ2試合の失点はいただけない。いずれも、前半の自分たちが主導権を握っている時間帯に失ったものだ。連戦やケガの影響もあり、両サイドが安定しないことにも起因しているが、ラインコントロールや裏のスペースへのケアという点では改善の余地がある。そして、一番気をつけなければいけないのは失点の時間帯。前半の早い時間帯に失点をしてしまうと、後のゲームプランにまで影響を及ぼしてしまう。
特に、今節でホームに迎える相手は磐田。日本代表経験のある選手はもちろんのこと、チームとしての経験値が高く先制点を与えればそれが即命取りになる。もちろん、これまでのようにボールを保持することは難しいが、あらゆる場面で粘り強く戦わなければならない。高さも、足元でも、そしてセットプレーでもゴールを奪える磐田は現在10試合連続で得点を挙げている。その相手を完封するとなれば非常に難易度の高いミッションになるが、愛媛は少なくとも先制点だけは与えてはならない。
そうした点で、攻守ともに特に両サイドでの主導権の奪い合いが試合の流れを見るポイントの1つになるだろう。愛媛は前節、キム ミンジェとハン ヒフンが先発したが、代健司を入れて守備と連携を重視することも考えられる。とはいえ両サイドが押し込まれる状況が長く続けば、ワンチャンスで勝負を決めてしまう前田遼一をはじめ、磐田をゴールに近づけてしまう。怖がらず、高い位置を取ってボールをつなぐことで少しでも長い時間、主導権を握りたい。
あとはサイドの選手に限らず、愛媛の若い選手たちは恐れず磐田に立ち向かう姿勢を見せられるか。「常にJ1でも戦えるプレーを意識している」という堀米勇輝をはじめ、強心臓の高卒ルーキー表原玄太が愛媛での2点目を意識し続けられるか。そして高い技術を持ち、既にチームの中心となった原川力はゴールという結果を残せるか。これまで、愛媛の若さは裏目に出ることも多かったが、連戦の最後、この強敵を前にして今度はその若さを最大の武器にして戦いたい。
思い起こせば昨年の5月、ホームのG大阪戦で愛媛は自分たちのサッカーを貫いて先制点を奪った。結果的には今野泰幸と遠藤保仁の日本代表コンビにコーナーキックからゴールを奪われて敗れたが、果敢に立ち向かった結果がアウェイでの勝利につながったともいえる。ホームで見たいのは、勝ちに行く姿勢。厳しいチームの状況だからこそ、最強の敵にも腰を引くことなく果敢に挑んでほしい。
以上
2014.05.05 Reported by 近藤義博
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