大型連休の連戦も今節で終わり。11日で4試合をこなす過密日程の疲労は言うまでもないが、この連戦をどう締めるか問われる試合となりそうだ。ホームの大分は2勝1分の負けなし。勝点を18に積み上げ7位に浮上した。松本は富山戦で取りこぼしはあったが2勝1敗で、勝点20とし3位に順位を上げた。中断期間のないJ2の戦いは、ゴールデンウィークで勢いに乗ったチームが夏場まで一気に加速する傾向がある。両チームとも、この試合に勝利すれば一気に追い風に乗れる雰囲気はある。是が非でも結果を欲しているはずだ。
ホームの大分は、前節の福岡戦で今季初のアウェイ勝利を逆転で飾った。メンバーを固定できずにいたことが功を奏し、ターンオーバーのような形で選手が入れ替わり、チームが活性化している。特に前線は風間宏矢、後藤優介ら20歳前後の『リオ世代』が結果を出し、チームに勢いをもたらした。連戦の最終決戦で同世代の為田大貴、松本昌也らも続いて一気にブレイクする下地がある。
チームとしての戦いもブレることなく、ボールを大事に動かし相手を攻略するスタイルも深度を深めている。手数をかけずに縦へ素早く仕掛けてくる相手に対する危うさは改善の余地はあるが、中盤を省略した戦いもできつつある。だが、これは戦術であって、スタイルを崩しているわけではない。だからこそ前節の決勝点となる2点目のように、テンポの良いパスから連動した動きで崩すことができたのだ。
大分にとって松本はかみ合わせの悪いチームであるが、自分たちのサッカーを見失うような戦いはしたくない。「自分たちのスタイルを貫き勝利を目指す」田坂和昭監督は、この試合を踏ん張り時と思っている感はある。相反するスタイルのチームであるからこそ、自らの目指すスタイルの正当性を認めさせたいはずだ。それにはわかりやすい結果を出すことの必要性を承知している。
長距離移動を強いられる松本は、前節の試合後に反町康治監督が「一番過酷な状況の中で一番遠いような場所で昼間のゲームという悪条件が続く」と話したように、ピッチに立つ前に別の戦いがある。ハードワークを信条とするだけに、どれだけフレッシュな状態でキックオフを迎えることができるかがポイントとなりそうだ。
もうひとつ、松本には相手のコートで圧力をかけ続ける揺ぎないスタイルと舌戦で相手を揺るがす指揮官がいる。「我々が力を発揮するのは4連戦の最後の試合」、「逆境に強い我々としては勝点3を取って帰る」、「我々の左サイドはビッグスペースがあったので、そこから攻撃のチャンスが幾つか作れた結果になった」などと、試合後の記者会見は巧妙なコメントを発し、相手の指揮官に先制口撃を与えている。
松本の反町監督と大分の田坂和昭監督は、年齢は違うが平塚(現湘南)でプロとなった同期。プロデビュー戦も同じで、「当時のスター軍団であるヴェルディ川崎戦で先にピッチに立ったのが僕。ただ、前半だけで4失点し、後半はソリさん(反町監督)と交代した」と、田坂監督が明かしてくれたことがあったが、何気ない話のなかで反町監督の名前が出るのは、どこかで意識しているのだろう。さらに田坂監督は昨季J1で戦いながらも、松本の試合を、反町監督が指揮する試合を全て見ている。
互いの性格、サッカー観、特徴を知り尽くす指揮官の信念とスタイル、そしてプライドを懸けた大一番となる。「残り15分で差が出る」と予想する反町監督の言葉通り、試合終了のホイッスルが鳴るまで目の離せない試合となるだろう。
以上
2014.05.05 Reported by 柚野真也
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