新緑が眩しく、新しい季節の始まりを感じられるようになったが、まだ新しい扉を開けず立ち止まっているチームがある。讃岐と東京V。讃岐は2分9敗と未だ勝利がなくリーグ最下位。東京Vも1勝3分7敗で20位と苦戦を強いられている。また、ゴールデンウィーク4連戦は、ここまでともに1分2敗と結果を出すことができていない。下位に低迷する両チームにとって、この試合の勝敗が今季のターニングポイントになると言っても過言ではないだろう。
ここ3試合、讃岐は3バックだが攻められた際にはサイドが引いて5人で守り、ここで数的優位を作って攻撃を仕掛けていくというスタイルで戦ってきた。第9節・千葉戦は1−1、第10節の横浜FC戦は0−1で敗れはしたものの課題であった複数失点を防ぐことができ、勝利まであと一歩だと思えた。
しかし前節の京都戦では4点を奪われるという再びの大量失点。北野誠監督は「前からプレッシャーを掛けることができず、後ろが混乱してしまった」と試合を振り返る。攻撃では10本のシュートを放つも岡村和哉のゴールシーン以外、決定機はほぼなかったに等しい。チームのルール“前にシンプルに蹴る”ということに固執し、攻撃が単調になり過ぎてしまった。試合翌日、「もっとボールを回すことも必要なのでは?」という問いかけに、多くの選手が「前に蹴るというのが今のチームのやり方」と答えた。チームルールの徹底、それはとても大切なことだ。が、時としてそれを破るイマジネーションも必要なのではないだろうか。前に蹴っても人がいない、収められない…ならば中盤でボールを回して揺さぶりをかけたり、スピードを落としてスペースを作ったり、いったんボールを後ろに戻してゲームを落ち着かせたり。選手たちは言われるまでもなく、そんなことは先刻承知だろう。しかし、真面目な選手が多いチームであるがゆえに、ルールにとらわれ過ぎている気がしてならないのは勝手な杞憂だろうか。北野監督は「京都戦では慌てて蹴り過ぎたところもあった。しっかりボールをつながないといけないよって選手に伝えないと」と語る。
対戦相手の東京Vは、ここ5試合で4失点。リーグ開幕当初に比べると随分、守備も安定してきた。しかし、勝利という結果はついてきていない。どの失点も一瞬の隙を突かれた格好で、勝てる、もしくは引き分けに持ち込めた試合を落としてしまっている印象だ。前節の岐阜戦は現在の国立競技場でのJ2最後の試合となるメモリアルゲーム。絶対に負けたくなかった東京Vは前がかりに攻めの姿勢を見せるも、岐阜に裏を突かれてしまい、若い選手が多い東京Vの脆さも見え隠れした。三浦泰年監督は「選手がもっと強い大きなハートにならなければいけない」と今後を見据え、「讃岐戦では思いの強さを出していき、サポーターたちに勝点3という勝利をプレゼントしたい」と熱く語った。
一方、北野監督も「絶対に負けられない」と闘志を露わにし「技術は向こうが上。まずプレッシャーをかけて自由にさせないというのが大事。確実にしっかり守備を考えて、いい守備からいい攻撃をしたい」と意気込む。そのキーマンになりそうなのが、両サイドの関原凌河と小澤雄希だ。関原は横浜FMユース時代に日本クラブユース選手権で得点王に輝くなど、もともとは攻撃を得意とする選手だが、現在はポジション的に守備に比重がかかっている。が、「守備は絶対必要だけど、もっと攻撃的にドンドン前に出て行きたい」とゴールへの意欲をのぞかせ、小澤も「相手より走って追い越してスペースを空けるというのを意識している。自分は長い距離を走るのが特徴なので、奪ったら積極的に前に出て攻撃に絡みたい」と語る。関原と小澤は「取られたら切り替える、取ったら切り替える、その攻守の切り替えはお互い早くやろう」と話し合っているそうで、この2人が持ち前の運動量で相手選手を翻弄すれば讃岐の勝利が見えてくるに違いない。
ゴールデンウィーク中の5月2日、香川は28.1度と日本で2番目の暑さを記録した。5月6日は初勝利という歓喜の渦で、日本一熱い場所になることを期待したい。
以上
2014.05.05 Reported by 中條さくら(オフィスひやあつ)
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