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【J1:第11節 大宮 vs 新潟】プレビュー:守備の立て直しに5−4−1転向の大宮。安定感抜群の新潟に挑む。(14.05.02)

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3月23日のリーグ第4節から公式戦8試合勝利のない大宮が、同じく3月9日のリーグ第2節から公式戦11試合負けなしの新潟をホームNACK5スタジアムに迎える。16位に沈む大宮としては、このホームでのオレンジダービーに何としても勝利して浮上のきっかけとしたいが、新潟の平均失点は0.7とリーグ最少。困難な戦いが予想される。

前節アウェイC大阪戦の前日練習を異例の完全非公開とした大宮は、当日、5−4−1の守備的な布陣を敷いた。「守備も攻撃も中途半端になっている」ところを、「きちっと守備をやり切ることに主眼を置いた」(大熊清監督)策だ。本来であれば、春先から継続してきた4バックをより組織的に機能させていきたいところだが、ここまで1試合平均2失点していることを踏まえ、組織よりも単純に最終ラインの人数を増やして守ることを指揮官は選択。結果、試合終了直前に同点に追いつかれ勝利こそならなかったが、90+3分まで無失点に抑えることができた。ただ一方で攻撃は、コーナーキックから待望のFWによるゴールが生まれたものの、総シュート数は7本で、流れの中からほとんどチャンスを作れなかった。守備に人数とエネルギーを割けば、そのぶん攻撃に使えるそれは小さくなる。今は、二兎を追って中途半端になるよりも、守備という一兎を確実に仕留めることを大宮は選んだので、そこは仕方ない。
大宮はこの新潟戦の前日も完全非公開としたが、おそらく5−4−1は継続する見込み。ただC大阪戦でも、それほど危なげない守備ができたわけではない。ポストやバー、江角浩司のファインセーブに救われなければ、ゲームプランが崩壊して大量失点していてもおかしくはなかった。「ロングボールでマークについて行くのか、ラインを上げるのか、そこをはっきりしないといけない」と中村北斗は言う。5バックなのに裏にスペースを与え、最後の失点も、ロングボールに対してファーサイドで2人フリーにしてしまっていた。つまり、最終ラインの人数が増えただけで、中盤の4枚も含め、5バックなりの組織的な守り方はできていない。

少ない時間でそこの整備が急務となるが、大宮にとって心強いのは渋谷洋樹コーチの存在だ。昨年の甲府は、序盤に大量失点を重ねて8連敗した後に、4バックから5バックにシステム変更することで残留を果たしたが、城福浩監督と二人三脚で5−4−1をチームに浸透させたのが、当時甲府にいた渋谷コーチだった。実際、守備時に5−4−1となる3−4−2−1を採用するチームはJリーグに複数あるが、大宮がC大阪戦で見せたやり方は、その3日前に対戦した甲府のスタイルに近かった。現在の甲府は被シュート数が最も少ないチームに変貌しており、大宮の立て直しは、そのノウハウをいかに渋谷コーチがチームに落とし込めるかにかかっている。
そして攻撃では、「セレッソ戦では相手の裏を突くようなボールが少なかった」(渡部大輔)ことが反省材料。前々日の練習では、家長昭博がボールを受けに下がったスペースをズラタンが突くなど、相手の最終ラインの裏を意識した攻撃に取り組んだ。そうして相手の最終ラインを下げさせられれば、中盤で家長や増田誓志がボールを持ち、両ワイドが攻撃参加する時間も作れるだろう。

守備も攻撃も再整備中の大宮に対し、新潟はチームとして完成されつつある。川又堅碁らFWから連動してハードワークし、レオ シルバらが中盤で刈り取る組織的な守備と、良い形でボールを奪えるため攻撃もスムーズで、バランスを崩さず必要にして十分な攻撃の人数が確保されている。アタッキングサードでの崩しのアイディアと決定力に課題があり、平均得点は0.9と物足りないが、それでも現時点の大宮と比較すればその安定感は眩しく映る。
当然、試合の主導権は新潟が握るだろう。大宮は引いた守備から入るが、幸い、新潟の攻撃はカウンターがより脅威で、引いた相手をポゼッションで崩すことはそう得意ではない。大宮としては、むしろボールを奪ってからの新潟のプレスが要注意。そのプレスをかいくぐって攻めようとして、奪われてショートカウンターを食らうのが一番危険なパターンで、それよりもシンプルにロングボールを前線に当て、サポートを早くし、そこから裏のスペースを狙いたい。菊地、高橋祥平、今井智基の3バックによるフィードの精度が問われる。

「渋谷コーチも『甲府でも変更した最初は選手も戸惑っていた』と言っていました」と渡邉大剛が明かすように、選手たちも探り探りやっている感は否めない。ただ大熊監督は、「(大宮に)来たときから、このチームでこのメンバーだと4バックより3バックのほうが合うと思っている」と、新布陣がチームにフィットすることに自信を持っている。前節の引き分けスタートは、悪くなかった。それが安定感のある新潟相手にどこまで通用するか。大宮には今後の方向性も占う試合になるだろう。

以上

2014.05.02 Reported by 芥川和久
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