浦和は4月全勝とまではいかなかったものの、公式戦6勝1敗と上々の成績で乗り切った。全ての試合で内容が良かったわけではないが、思い通りにいかない時でも自滅せずに我慢しながら戦い、しっかりと勝点を積み重ねてきたところに成長を感じさせる。
「できれば中断期間までに首位に立ちたい、いい緊張感で戦えるからまずは1回首位に立ちたい」(西川周作)
中断期間までリーグ戦は残すところ4試合、トップとは勝点2差。首位ターンは十分射程圏内だが、その目標を実現させるためには5月一発目の試合は取っておきたい。今節は柏vs鹿島、神戸vs広島と上位陣が直接対決するカードがあるため、ここで勝っておけば可能性はグッと高まる。
対するF東京は浦和と勝点5差の10位につけている。開幕当初は4試合勝ちなしとスタートで躓いたものの、その後は4勝2敗と調子を上げてきている。今年のF東京は守備が安定している。川崎F戦こそ4失点を喫しているが、基本的に大量失点が少なく、取られてもだいたい1点までだ。
今年から指揮を執るマッシモ フィッカデンティ監督は、いかにもイタリア人指導者らしく守備の整備に力を注ぎ、それが成果として表れている。浦和はシーズン開幕前にF東京と練習試合を行っているが、その時はまだ混乱が見られたという。宇賀神友弥は「F東京の選手たちからも、1つ1つが細かすぎて大丈夫なのかなというのが伝わってきた」と振り返る。
しかし、今は新監督の指導がだいぶ浸透してきている。イタリアでは守備の基本中の基本と言われている“ディアゴナーレ(味方の斜め後ろにカバーリングのポジションを取ること)”や“スカラトゥーラ(ボールの動きに応じたユニットでの連動したポジション取り)”の精度が上がってきている。
浦和は柏戦、横浜FM戦と相手の守備的な戦い方に手を焼かされたが、おそらく今回も我慢の一戦になるだろう。F東京は不用意にリスクを負うようなことはせず、相手の狙いを巧みに封じる術を持っている。柏木陽介が「モリゲ(森重真人)や吉本(一謙)がいて、その前に(高橋)秀人やヨネ(米本拓司)がいるから守備は安定している」と話すように、タレントも揃っている。
浦和と同じようなメカニズムで戦う広島と対戦した際には、いわゆる“ミラーゲーム”に持ち込み、ミシャシステムの強みを消していた。浦和に対しても同様の対策を取ってくる可能性は高い。フィッカデンティ監督なら浦和を苦しめた柏のやリ方をスカウティングして、そのエッセンスも注入してくるかもしれない。
ただ、相手がどんな出方をしてきても、浦和の戦い方は変わらない。そういう相手に勝つためには、浦和対策という強固な盾を打ち砕くだけのクオリティの高い攻撃を仕掛けていくしかない。「5枚でハメてきた時の練習はしている。上回れると思うし、上回らないといけない。5枚できてくれた方がありがたいと思えるくらいの余裕を持ってやるのが一番」と宇賀神は力を込める。
また、膠着した試合展開になった時はセットプレーの重要度が増すが、浦和はこのところセットプレーから点を取れている。キッカーを務める柏木も「キックはずっと調子が良かったけど、最近は(中と)合うようになってきた。いいボールは上がっていると思うので、そこで点を取れればいい流れになる」と自信をのぞかせる。横浜FM戦ではサインプレーもうまくいった。CKやFKの場面は見どころの1つになるだろう。
以上
2014.05.02 Reported by 神谷正明
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