難攻不落のフクアリを攻め落とし、鬼門のニンスタも突破した阪倉トチギ。今季まで未勝利だった地での歓喜は格別だった。苦手意識の払拭は、今後を見据えれば悪くはない。しかし、アウェイで勝ち、ホームで負ける悪循環を、そろそろ断ち切らなければならない。
「次こそ流れを変えたい」とゲームキャプテンを務める小野寺達也は意気込み、「また連勝できるチャンス。ホームで勝ちたい」とエース瀬沼優司もホームで喫している連敗阻止と、今季初の連勝に向けて鼻息は荒い。「ホームで負けが込んでいることにナーバスになってはいけないが、意識はしないといけない」とは阪倉裕二監督。昨季2戦2勝と分のいい札幌戦を契機に、“ホームでも強い栃木”に生まれ変わりたい。
1―0で逃げ切った前節の愛媛戦は、「結果が付いて来たけど、運に恵まれたところもある」(小野寺)。自らピンチを招く場面が多々見られ、決定機の数では愛媛に上回られた。GK榎本達也の好セーブがなければ、結果は真逆になっていたかもしれない。そう考えると、奮闘した守備陣に報いるためにも、「攻撃陣はあと1点、追加点を取るべきだった」(瀬沼)。
先制した6試合は5勝1分と無敗を誇る栃木。先制すれば負けない。それは精神安定剤となるが、サッカーでは往々にして事故的な失点が起こる。やはり、1点では心もとない。だからこそ、瀬沼は先制点よりも、2点目を取れなかったことを悔やんだのだ。その一方で、「今はカウンターが上手く行っている。出ていく時には勢いがある」と、瀬沼はチームのストロングポイントに手応えを感じている。
愛媛戦では今季初先発の重松健太郎がテクニックの高さを誇示し、前線でタメを構築することでカウンターの起点を増やした。札幌の失点数は、栃木と同じ7。そこから透けて見えるのは、ロースコア―の試合展開だ。チャンスは限られるかもしれないが、作れないこともないはずだ。少ないチャンスを確実にゴールに結び付ける集中力を発揮し、勝率が高まる先制点を奪いたい。
栃木とは対照的にホームに強いはずの札幌だったが、前節は東京Vとスコアレスドローで勝点1にとどまった。前述したように失点数が少ないのが最大の特長だが、ここまでの得点数は8と攻撃面に課題を残す。前節もほとんど決定機を生み出せなかった。
とはいえ、「FW陣は個人技がある。フリーでやらせないことが大事になる」と赤井秀行が警戒を払うように、前線には個性豊かなタレントが揃っている。「ふらふらしながら急に出てくる」(小野寺)1トップの前田俊介が回遊しながら空けたスペースを、古田寛幸らのアタッカー陣が有効活用できるかが鍵になるだろう。また、「キックの精度がいい」(小野寺)元栃木の菊岡拓朗が先発するのであれば、彼が閃光を放つセットプレーからゴールを取りたいところだ。クロスボールへの対応が抜群の栃木に対し、菊岡とベテラン砂川誠のボールの質が勝るのか。CKとFKの攻防は、目が離せない局面になるはずだ。
栃木も札幌も、昨季はJ1昇格プレーオフに一歩及ばすに涙を呑んだ。当然、今季はその悔しさを糧にしており、最低でも6位以内を見据えている。今後も昇格圏内を懸けて争うことを考えれば、栃木としては直接対決で札幌を叩いておくに越したことはない。ホームを不得手とする栃木(外弁慶)が、アウェイの成績が芳しくない札幌(内弁慶)を降し、今度こそ連勝を成し遂げる。
以上
2014.05.02 Reported by 大塚秀毅
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