F東京にとっては、今節が現行の国立競技場でのラストマッチとなる。対戦相手は、現在J1リーグ15位に低迷する名古屋。前節はけが人が続出し、ベンチ入りのメンバーが不足するほどの危機に見舞われている手負いのチームだ。だが、F東京の選手たちは「相手のことは関係ない」と、口を揃える。現在リーグ戦で連勝し、首位鹿島までの勝点差は4に縮まった。この勢いのまま、連戦を乗り越えたいというのが今の東京の総意だろう。
マッシモ・フィッカデンティ監督も、「名古屋は結果だけを見れば、苦しい状況が続いているが、運がなかっただけだ。私は何試合も見たが、非常にクオリティの高い選手が揃っている。経験を積んだエキスパートな選手たちもいる。そういった彼らに簡単にスペースを与えてはいけない」と決して気を緩めていない。
満身創痍の名古屋は5連敗中だが、永井謙佑、松田力の2トップは強烈だ。最終ラインの背後を突き、かつ駆け引きにも長けている。フィッカデンティ監督は「彼らへの供給源を断てればいいが、それを90分間続けることは不可能だ」と言い、アグレッシブにプレスを掛ける場面と、スペースを消して守る守備の使い分けの必要性を語った。経験豊富な選手がチームを支え、チャンスをもらった若手選手がかみ合えば、名古屋は指揮官の見立てどおり下位に沈むようなチームではない。
F東京は、新指揮官の戦術が浸透し、試合を追う毎に強さが増している印象だ。ここまで先発出場した全ての試合で不敗を続けるDF吉本一謙は「チームとしてどんな相手も抑えられる手応えはある。だが、課題はたくさんある。まだまだ相手が外してくれた場面もあった。今、右肩上がりでチームが成長している段階。最終節の段階で一番強いチームが優勝する。だから、このまま最後までできていたことができなくならないようにしたい」と話す。これまで通り、体を張った守備や、ボールホルダーへの寄せをこの連戦の中でどれだけできるかが試合を大きく左右するポイントになるはずだ。
ここ数試合は、守備がクローズアップされているが、しっかりと決定機をモノにしている攻撃陣にも注目してほしい。多くの選手がここぞの場面で一斉に前線へと駆け上がっていくシーンは痛快そのものだ。その攻撃をけん引しているのが復調した平山相太だ。前線で攻撃の起点となりつつも、しっかりとゴール前でチャンスに絡んでいる。そして、国立ラストマッチとなれば、この男に期待せずにはいられないだろう。この試合を前に、本人も「これまで良い思い出も悪い思い出もある場所だけど、最後に良い思い出を残したい」と力強く語った。
派手さはないが、勝負所と試合の要点をしっかりと押さえている点がいまのF東京の強さの源だろう。難敵の名古屋を下せば、今季初のリーグ3連勝となる。「勝者のメンタリティーが少しずつチームに浸透しつつある。相手どうこうじゃなく、準備してきたことをすべてだすだけ」と米本拓司は言う。勝利を飾り、変わりゆく聖地へのはなむけとできるか。ホーム国立で強いF東京を見せる時だ。
以上
2014.04.28 Reported by 馬場康平
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