85分まで手元にあった勝点3がするりと逃げていった。1点リードでゲーム終盤を迎えた群馬だったが86分からの3分間で2失点を喫してまさかの逆転負け。ゲーム終盤の戦いで未熟さを露呈し泥沼の4連敗となった。昨季4月にクラブワーストタイの6連敗を喫して坂道を転がり落ちた群馬だが、結果だけをみれば同じ状況に近づいている。
キックオフと同時に勢いよく飛び出した群馬は開始早々の4分、FW起用された永田亮太がゴール前の混戦からこぼれ球をプッシュして先制に成功する。「一度はブロックされたがゴリ押しで決めた」(永田)。4試合ぶりのゴールを挙げた群馬は、動きの鈍い福岡をパスワークで翻弄して主導権を奪う。坂井洋平、青木孝太、小林竜樹らがアグレッシブなプレーを遂行してゲームを支配。1点リードで前半を折り返す。ここまでは群馬の勝利を疑う者はいなかった。
だがハーフタイムにプシュニク監督が切った2枚のカードがゲーム展開を一変させた。石津大介と森村昂太を前線に投入、群馬のウィークであるワンボランチの周辺スペースに選手を密集させた。バイタルで数的不利となった群馬は、前への推進力を奪われ自陣での戦いを余儀なくされる。「相手のシステム変更によって守備がハマらなくなった」と選手たちは振り返ったが、劣勢となったことで群馬の体力は奪われ、パワーを失っていく。
その状況下で群馬にミスが発生する。ゲーム終盤、途中交代で3バック右に入った乾大知がボール処理を誤りペナルティアーク付近でFKを献上。群馬は選手全員で必死にゴール前へ壁を作ったが、ペナ内左を浮遊していた途中出場・酒井宣福の存在に気づかなかった。「気づかれないように声も出さずにじっとしていた」(酒井)。キッカー森村は群馬の選手をあざ笑うかのように酒井へパス。それを酒井が豪快なキックで叩き込み福岡が86分に同点に追いつく。
同点にされた群馬は慌てて野崎桂太と宮崎泰右を投入するが、黄誠秀を下げたことで守備のバランスを失う。そして89分には酒井のパワフルなドリブルを止めきれず突破を許すと最後は森村に流し込まれて万事休す。群馬は、残り5分で2失点し福岡に勝利をプレゼントした。小林は「勝たなければいけないゲーム。最低でもドローで終わらなければいけなかった」と肩を落とした。
勝敗を分けた要素を一つに絞ることは不可能だ。だが両チームの選手交代策が結果に影響を与えたことは否定できない。福岡は、途中出場の森村と酒井がともに1アシスト1ゴールの活躍をみせて勝利に貢献した。交代策を的中させたプシュニク監督は「トランプで言えばラッキーハンド。良いカードが引けたと思う」と不敵な笑みを浮かべた。
敗れた群馬だが、交代策が受け身だったことが悔やまれる。秋葉忠宏監督は「交代に後悔はないし何ひとつ間違った判断はしていない」と言い切ったが、逆転負けを喫しただけに説得力を欠く。切ったカードの正誤ではなく、後手に回った後半の戦いを検証することが求められる。今季の目標がJ2残留ならば高望みはしない。ただ上を目指すのであれば、謙虚な姿勢で敗戦を受け止めなければならない。
以上
2014.04.27 Reported by 伊藤寿学
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