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【J1:第9節 徳島 vs 新潟】レポート:敗れはしたものの前回対戦とは違う勇敢な戦い。徳島にとって意味のある一戦となったのは間違いない(14.04.27)

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今節もトンネルを抜け出すことが出来なかった。これで開幕9連敗。不名誉なことに徳島は現行制度となってからのJ1における開幕連敗ワースト記録に並んでしまった(2011年に福岡がそれを記録)。
しかしながら、この一戦は間違いなく、チームが今季最も勇気と挑戦心を体現して戦えたゲームであったと言える。事実それを物語るように「結果的に負けはしましたが、今までのような大量失点ではなく、今日のようなぎりぎりの戦いを少しずつ増やしていければと思っています」と試合後語る衛藤裕の表情には、悔しさも当然滲んでいたが、得た手応えから来る次への意欲が強く感じられた。

確かに試合序盤は新潟にペースを取られたと認めざるを得ないだろう。ポゼッションを握られ、マイボールにしても激しいプレスによって正確なパスを許してもらえず、徳島は守備の時間がほとんどの難しい展開を強いられた。ただ、これまでと違って選手たちは積極性を持ったラインブロックを形成。特に縦パスに対して非常に厳しくいく姿勢を見せることで、新潟にそれを多く入れさせなかったのである。
すると、そうした守備がチームのリズムを盛り上げていく。20分を過ぎた頃から徳島は少しずつ奪ったボールを繋げられるようになり、実際25分には左サイドから中央へのパスワークでクレイトン ドミンゲスがいいタイミングのミドルショット。また続いて数分後にはGK長谷川徹のロングキックをドウグラスと高崎寛之が上手い距離で繋ぎ、裏へ抜けたドミンゲスが再び惜しいフィニッシュを見せた。

そして前半終盤に守りの僅かな隙を突かれて先制され、その4分後には新潟のレオ シルバにスーパーなFKで突き放された徳島だが、その後も選手たちは折れることなく勇敢さを失わない。それどころか迎えた後半は、前半以上に新潟のプレスを怖がらずボールを繋ぐとともに、早くシンプルなワンツーでバイタルへも鋭く割って入るなど、組織全体でさらに勢いを増してピッチ上の流れを大いに引き寄せたのである。その結果、徳島は89分ついに今季のホーム初ゴールを奪取。同時に1点差に迫ると、直後にも宮崎光平のクロスから衛藤が僅かでも触ればというあと一歩のシーンを作ってスタジアムを湧かせた。

もちろん惜しい内容、いい戦いだけではもう許されない。未だ勝点がゼロであることを考えると、徳島に求められるのはどんなゲームでもそれを1つでも手にすること。とは言え、いきなり何もかもが180度変わって良くなるわけはない。悠長なことは言っていられないが、このような改善と成長を一歩一歩積み重ねていくことが今の徳島にとっては重要であり、それが出来て初めて欲するものにも近付ける。
そうした意味からすれば中2日で挑む次節・甲府戦については、こうした勇敢な戦いを継続すること、守備のディテールに妥協を許さないこと。徳島はこの2つを絶対に忘れることなく戦わねばならない。

さてそれに対し、勝利した新潟についてだが、勝点3こそ取ったものの内容的にはやや課題が残ったように思われる。それは特に攻撃に関してで、ゲーム序盤、ボールを保持していながらなかなか効果的な縦パスが通せなかったことは否めないはず。先制の場面も含め局面でのグループ連携は精度の高いワンタッチを絡めたさすがのものが見られたし、オープンな攻め合いとなった後半はスペースが空いていたこともあって川又堅碁と鈴木武蔵が起点となってゴール前までの形を何度も作りはしたが、相手が集中あるブロックを敷いた時に問われる後方からのボール供給には幾らか修正が必要なのではないだろうか。
その部分をもうワンランク上げることが出来たなら新潟はさらなる高みへと昇っていけるに違いない。次節は現在2位(勝点は首位と同じ)につける神戸が相手となるが、そこでどれだけその部分に今節からの変化を見せられるか、注目されるところだ。

以上

2014.04.27 Reported by 松下英樹
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