スコアは1−0ながら、F東京の完勝と言っていいだろう。イタリア人指揮官・マッシモ フィッカデンティ監督の思惑通りの試合展開だったに違いない。
キックオフ直後に平山相太が激しく相手ディフェンスにチェイシングをかける。平山と2トップを組んだ渡邉千真も「90分間やれると思っていなかったから」と割り切り、後先考えずに前線から猛烈にボールを追った。
そのフォアチェックが早くも結実する。渡邉が相手ボランチ、中町公祐に激しくバックプレス。そのため中町はドリブルのコントロールを乱して、富澤清太郎と交錯しボールがこぼれ、渡邉が突っつく。それをバイタルエリア中央で受けた平山が狙いすましたシャープな一撃を放つ。GK榎本哲也に横っ飛びセーブで防がれるも、東慶悟が詰めてゴール。開始からわずか7分の出来事だ。
F東京は2トップの後ろのトリプルボランチも「ここぞ」という場面で、前から厳しくチャージするメリハリの効いた守備で、高い位置でボールを奪取。そのため「前半はあまり後ろにボールが入って来なかった」(F東京・徳永悠平)。たまに入ってくるロングボールもプレスによってコースが限定されていたため、難なく弾き返すことができた。
横浜FMは相手の3ボランチをかく乱しようと齋藤学と藤本淳吾、中村俊輔が目まぐるしくポジションチェンジを繰り返してプレー。時には齋藤が対面する米本拓司を中に絞って引きつけ、左サイドバック・下平匠のオーバーラップを促すも、決定的な場面をなかなか作れない。
そこで樋口靖洋監督は後半頭から2枚のカードを使う。中町に代えて伊藤翔を入れて2トップに変更し、小林祐三を下げて奈良輪雄太を投入した。
それを見たフィッカデンティ監督は、即座に動く。ボランチの高橋秀人をリベロの位置に下げて、相手2トップを監視。また守備のライン全体を下げて、なりふり構わず守りに入る。これぞ、カテナチオ。堅いブロックが、横浜FMの前に立ちはだかった。
だが、F東京の両サイドバックも自陣に引きこもったため、横浜FMはサイドのスペースを突ける機会が増える。交代出場の奈良輪は推進力あふれるドリブルでチームに活力を与え、主導権を握るきっかけを生む。逆サイドの下平は多彩で正確なキックでチャンスボールを何度も供給。52分には彼のクロスから反対サイドを走った中村が合わせたがミートせず。88分には途中出場した佐藤優平にピンポイントのクロスを送るも、ヘッドは勢い余って枠の外へ。どれもチャンスではあったがビッグチャンス未満のシュートに終始し、ゴールの匂いは漂うことなく、そのままF東京に逃げ切られた。
横浜FMは、これでリーグ戦6戦連続勝利なし。しかも、そのうち5試合が無得点と深刻な状況に。また22日のACL広州恒大戦に引き続き先に失点し、試合の入り方が良くない。次戦の浦和戦まで中2日と時間はないが、それでも中村が語ったように「みんな頭をゼロにして、一からという気持ちでやらないといけない」。
以上
2014.04.27 Reported by 小林智明(インサイド)
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