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【J1:第9節 清水 vs 仙台】プレビュー:好調の清水に対して、戦いやすい面もある仙台。どちらの精度、集中力、そして勝利への執着心が上回るか(14.04.25)

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ヤマザキナビスコカップの初戦(3月19日)では、同じアイスタでの戦いで清水が4−0で快勝。しかし、仙台はその際とは別のチーム。また清水には、あの試合で勢いをつかんだ選手が多く、そこから1カ月ちょっとでさらに自信をつけている。ホームらしく戦いたい清水と、アウェイらしい戦い方に徹することができる仙台という意味でも、本当に見どころの多い一戦と言える。

4月に入って公式戦4連勝、8得点/0失点と攻守のバランスが非常に良くなってきた清水。ヤコヴィッチが右サイドバックに入って、ロングボールやカウンターに対しても強くなり、六平光成と竹内涼という新たな若きボランチコンビも献身的に守備をしているため、相手に決定機を与える場面自体が少なくなっている。
そのうえで、攻撃時には3バック気味になって左サイドバックの吉田豊が高い位置をとり、逆に右ウイングの河井陽介がバランス重視のポジショニングを心がけることによって、左ウイングの大前元紀が自由に動き回れるような状況になっている。その大前の調子が非常に上がってきて、相手の守備ブロックの間でボールを受けて起点を作ることが、攻撃の流れを非常に良くしている。
前節・徳島戦で、絶好調の長沢駿が右膝前十字靭帯を断裂してしまい、長期離脱を余儀なくされたのは本当に残念だが、高木俊幸と高木善朗の兄弟、村田和哉など、個で仕掛けられる選手が揃っているので、また違った恐さを出せるはずだ。とくに徳島戦の後半から出場した高木俊が開幕戦以来のゴールを決めたことは、大きなプラス材料。本人も「コンディションはずっと良い状態を維持できているし、久々の試合の感触としては良かった」と語っており、乗ってくると爆発的な力を発揮する選手だけに、大いに期待したいところだ。

一方、仙台のほうは、渡邉晋監督に交代してから、ここまで公式戦で1勝2敗。前節はホームで鳥栖の術中にはまって0−3の完敗に終わったが、監督交代初戦の横浜FM戦ではアウェイで2−0の完勝を飾っている。渡邉新監督が立て直しのために重視しているのは、「自分たちのストロングポイントと選手の特徴を生かす」という部分で、昨年までの仙台の良い部分を再確認しながらの戦いを続けている。つまり、攻守の切り替えの速さやハードワークという特徴を軸に、アウェイでは堅守速攻やセットプレーで勝機を見出すことができるチームに戻っている。横浜FM戦ではそれが結果につながったので、今回も同様の戦略で臨んでくることは想像に難くない。
となると、思い出されるのは昨年の天皇杯4回戦だ。当時の手倉森誠監督が、「チャレンジャーとして、守備から入ろうと。0−0でいく覚悟をして、うまいゲームコントロールで勝つことができ、選手たちにはこれがトーナメントメンタルだという話をしました」と語り、思惑通り1−0でアイスタ初勝利を飾った試合だった。
現在J1の中でもっとも勢いのあるチームのひとつと言える清水だが、仙台にとってはむしろ戦い方をはっきりさせやすい面もある。逆にそうした仙台の戦い方を、清水がうまく攻略できるかという点が、この試合最大の注目点となる。

清水としても、引いて守りを固めた相手を崩すという部分には、徐々に自信を持ち始めている。「(大前)元紀くんやノヴァ(ノヴァコヴィッチ)、トシ(高木俊)とか自分で仕掛けられる選手が揃っているので、そこにうまくボールを入れられれば点を取れると思います。それでボールを取られても、周りに人がいるのでカウンターはそんなに恐くないし、しつこく仕掛け続けてもらえばいいと思っています」と語るのはボランチの六平。そこからパスを受ける立場の大前は、「相手が引いてくれれば、うちのボランチ2人がボールを持てるし、そこでタメを作って僕らが間で受ければチャンスになると思います」と狙いは一致している。
今はボランチ2人のところでしっかりボールが収まり、縦パスも多く供給できているので、それを生かして早いうちに先制点を奪うことができれば、かなり優位に立てるはずだ。最近は常に良い形で試合に入れている清水がもっとも欲しいのは、前半のうちの先制点だ。
また、そんな中で両チームにとっていつも以上に大きなポイントになってくるがセットプレー。ここはどちらも自信を持っており、試合の流れに関係なくスコアを動かすことができるプレーでもあるため、本当に一瞬の集中力や精度が重要になってくる。「セットプレーも、(長沢)駿くんがいなくなってもまだ高さはあるし、キッカーの自分が良いボールを蹴れればチャンスになると思います」(大前)というのは清水の思惑だが、仙台にも梁勇基という素晴らしいキッカーがいて、赤嶺真吾やウイルソンなど受け手の質も高い。

どちらにとってもゴールデンウィーク連戦の初戦として非常に重要な試合であり、対照的なスタイルのぶつかり合いで非常に緊迫感のあるスリリングな戦いになることは必至。その迫力や熱さを実感するには、やはりスタジアムに足を運び、生で観戦するしかないだろう。

以上

2014.04.25 Reported by 前島芳雄
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