前節は、京都の個の力の前に苦しい展開を強いられた。先制しながらも逆転された。しかし、残り時間わずかの同点弾で勝点１を手中に収めた。ハードな一戦だったが、猛攻に晒されながらも耐えしのぎ、少ないながらも決定機は創造した。ある意味、松本らしい試合だったと言える。課題点ははっきりしており、既にチームは今節に向けて気持ちを切り替えている。狙うものはもちろん勝点３。今季ホームゲーム初勝利を目指す。

世間はゴールデンウイークに突入するが、サッカー選手に休みはない。４月26日から５月６日までの11日間で何と４試合が開催されるハードスケジュールだ。反町康治監督のマネジメントとチームの総合力が問われる時期である。もちろん経験豊富な指揮官に抜かりはないが、チームの総合力という点では不安がある。14日のトレーニングマッチで負傷した棗佑喜が左ハムストリングの肉離れで全治約２か月と診断されたのだ。開幕後もコンディション不良により別メニューを余儀なくされ、第６節・札幌戦で戦線復帰をしたばかり。本人もチームにとっても辛い再離脱となった。一方で右足甲の痛みで長らく欠場が続いていたサビアが今週のトレーニングから復帰。まだ100％の状態ではないのも事実だが、経過そのものは良好で本人も「いつでもいけるように準備はしている」と意欲的に取り組んでいる。層は決して厚くはないが、今こそチーム一丸となってこの状況を乗り切りたいところ。

対するアウェイの岐阜だが、前節・栃木戦を１−３で敗戦。開幕からCBのレギュラーポジションを掴んでいる阿部正紀の出場停止もあったとはいえ、栃木の攻撃を止め切れずに３失点。連敗は避けたい今節は意気も高いことは予想できる。ラモス瑠偉新監督のもと、川口能活や三都主アレサンドロといった経験豊富な実力派がしっかりとレギュラーを確保。昨季から様相が一変している。注目選手はやはりここまで５得点を挙げているコロンビア人FWのナザリトだ。前節の一矢報いるゴールは、打点の高いヘディングから生まれている。187センチ・89キロの恵まれたフィジカルを武器に空中戦に強く、スピードや足元の技術も持ち合わせている大型FWだ。

松本としては、まずナザリトを封じることが勝利への近道となりそうだが、ポイントはもうひとつある。反町監督は「最後の15分間になると、足が止まり始める」と岐阜を分析する。運動量という面ではホームチームに分があると見てよさそうだ。指揮官は試合当日の松本の天気も把握済みで、「暑くなるかも知れないね」とニヤリ。確かに24日午後５時発表の予報では、試合当日は晴れ時々曇り。予想最高気温は23℃となっている。午後１時のキックオフ、強い日差しはピッチ上の選手たちの体力を奪うはずだ。そうなれば――。

松本、岐阜、富山の３チームで行われているダービー企画、『ＴＯＰ　ＯＦ　北アルプス』も今季で３年目となる。現在、松本が連覇中。今季もその座を譲る気は毛頭ない。

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2014.04.25 Reported by 多岐太宿