3/8に行われたホーム開幕戦が12,202人だったのに対し、今節は6,113人。わずか1カ月ちょっとで約半分の数になってしまった入場者数が、徳島の現状を何より物語っていると言えよう。期待は急速に萎んでいっており、注目度もシーズン開幕時の盛り上がりが嘘のように薄れてきてしまっている。
それだけに余計、チームは今節是が非でも勝たなければいけなかったが、結果はまたしても敗戦。しかも一向に減らない失点、ほとんど攻めることができない戦いの内容もこれまでとほぼ変わりがなかったことで、終了のホイッスルが響いたスタジアムは大きなため息に包まれていた。
ゲームについて述べると、敗戦を招くに至った問題はチームの中に多々あったが、この一戦ではボランチ陣のプレーのまずさが非常に大きな敗因になってしまった。
事実、11分に許した先制点の場面、蹴り込まれてきたロングボールに対して濱田武が一瞬空中戦を見守る傍観者に。それによってすぐ目の前からバイタルエリアへ走り出した清水の危険な存在・大前元紀に置いていかれ、その大前にこぼれ球をノヴァコヴィッチへ繋がれる形から早々とゴールを割られた。
また続く19分の2失点目もボランチの甘い対応からだったと言えよう。ボールをもらいに下りていく清水の大前に気付いた小島秀仁がそこへ付いて行くも、パスを受けた大前の足元へは全くアタックせず。間合いをおいた並走だけをしてしまったことで前線に難なくフィードを許してチャンスを広げられ、最後は再びノヴァコヴィッチに決められたのである。
さらにもう1つ、試合を決定付けられた後半の3失点目は濱田のイージーなパスミスから。それを大前に拾われてのカウンターで徳島は息の根を止められてしまったが、自陣で相手にあのようなプレゼントパスをしてしまうとやはりJ1では見逃してもらえず、取り返しのつかない致命傷を負わされることになってしまう。
そしてそのように失点に関わってしまっただけでなく、ボランチ2人は攻撃面でも仕事ができていなかったと言わざるを得ないだろう。実際に彼らが中盤でテンポ良くボールを散らすシーンはほとんど見られなかったし、攻撃のスイッチを入れるような縦パスに至ってはゼロ。指揮者がそれだけタクトを振るえなければ当然チームの攻めは形にならない。90分通して徳島がほとんどチャンスらしいチャンスを作れなかったのも必然のことと言える。
と、こうしてここまでボランチ2人の反省すべきプレーについて触れてきたが、前記した通りもちろんチーム全体としての問題も大いにあった。濱田や小島からボールを引き出す動きを周囲の選手たちが十分できていたかと言えばそうでないし、組織的な守備対応なども連動に欠け、どこで奪いにいくのかハッキリしていなかったと言えるだろう。「誰か個人の問題ではなく、チームとしてやっていかないと絶対に勝てません」と大崎淳矢も試合後話していたが、いずれにしても徳島は個々それぞれが自らに対する厳しさをわずかの妥協もなく持ち直した上で、その個の厳しさをチームの力としてもう一度しっかり組み合わせていかなくてはならない。手遅れにならないよう一刻も早く、だ。
さて対し、勝利した清水については、3連勝で昇り調子にいっそう勢いが付いた。そのうえまたも完封勝ちとあって、選手たちは自分たちの今に対する自信をより深めたに違いない。しかしながら、前半半ば以降から後半序盤の時間帯にややペースダウンしてしまったことは否めない。アフシン ゴトビ監督もその部分に触れ「試合の中で集中力を切らしてしまうところもありました。そのため試合のコントロールを失っている場面もありました。その点はこれから改善していかなければいけない点だと思っています」と語っていたが、今後もう一段上のレベルに達するにはそこに対する修正が不可欠と思われる。
しかしながら、ストライカーとしての能力を見せつけたノヴァコヴィッチや、3点目まで全てに絡んだ後スーパーなゴールを自身でも挙げた大前に限らず、現在清水は全員が非常に意識を高く維持して戦えている。それをこれからも継続できたならチームはそうした課題も克服し、スローガンにある『RISING』を今季きっと果たせるであろう。
以上
2014.04.20 Reported by 松下英樹
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