まさかの開幕７連敗。讃岐が厳しいＪの洗礼を受けている。第３節の大分戦ではＰＫで与えた１失点のみ。次こそは！との期待を抱かせてくれたが、続いての松本戦は０−５と大敗。第６節の栃木戦は０−１で敗れはしたものの試合内容では完全に讃岐が上回っていた為、ようやく勝点が近づいてきたように思われた。が、第７節熊本戦では１−４と圧勝された。上がっては下がり、また上がっては下がってと、どうやら負のスパイラルに巻き込まれてしまったようだ。そこから抜け出すには、“自分たちのサッカーを変える”という荒療治が必要なのかもしれない。

１３日に行われたその熊本戦。試合開始わずか３分でセットプレーから失点。チームの課題である“立ち上がり”“セットプレー”、二つ同時にやられてしまった。北野誠監督は「あれだけ人数がいるのに誰もシュートコースに体を寄せていないというのが、まずおかしい」と首をかしげる。たしかに藏川洋平のボレーシュートはあまりに鮮やかで、個人技の成せる技と言えるかもしれない。が、フリーで打たせてしまったというのも事実。「あそこは誰かが感じ取らないといけなかった」と高橋泰は悔やむ。強風の中、風下でのプレーで前線へのフィードが戻されるなど攻撃の形を作り切れなかった讃岐だが、守備では失点の場面以外は素早いプレスで追加点を許さず前半を折り返す。風上に立った後半、巻き返しのチャンスだったが５８分、再びセットプレーから失点。ここで讃岐の選手の気持ちもそがれてしまったのか運動量が落ち、７５分、８９分にも得点を許す。アディショナルタイムに我那覇和樹が意地のヘディングシュートを押し込むが時すでに遅し。１−４という惨憺たる結果だった。

負のスパイラルを断ち切るにはどんな“治療”が必要なのか。この一週間、徹底的に守備の確認、見直しを行ってきた。とにかく失点しない守りが急務だ。０で抑えれば『勝点１』は手に出来る。では、もう少し欲張って『勝点３』を手にする為には−？「ゴールを目指すための切り口を変えていきたい」と北野監督。ここまで讃岐の攻撃といえば、後方から前線への長いパス、またはアンドレアをはじめとしたサイドの選手からのクロスといった形が多用されていた。しかし、この攻撃はここまでの戦いで相手チームに読まれ、熊本には完全に封じ込められたという印象が強い。今節は、裏への動き、オーバーラップなど多彩な攻撃のバリエーションで挑んできそうだ。豊富な運動量を武器に攻守両面で重要な役割を担う小澤雄希は「自分たちのサッカーも大事だけど、やっぱり勝つためにはいろんなやり方をしないと」と再生を誓ったうえで「自分の持ち味は、どんどん前に出ていくこと。ボールを奪ったら積極的に前に出て攻撃に絡みたい」と意気込む。

対する福岡も前節の長崎戦では２−５と大敗を喫した。しかも、３分間で３失点。マリヤンプシュニク監督いわく「私の今までのキャリアの中で最もひどい試合」だった。攻撃的な長崎に対し、より攻撃的な布陣で仕掛けていった結果、連係不足も相まってぽっかりと空いたスペースが出来てしまい、長崎にそこを突かれてしまった格好だ。この試合に関していえば完敗の福岡だが、ここまでの戦いを見れば、３勝２分２敗でリーグ８位。プレイオフ圏内６位の栃木と勝点では並び、決して悪くはない。長崎戦での大敗を踏まえ、今節は元の布陣に戻してくるのか、一つ一つのプレーに修正をかけ同じ布陣でもう一度自信を取り戻しに来るのか−？どう戦うかで今後の福岡の方向性もおのずと見えてきそうだ。

讃岐は戦績もさることながら入場者数にもあえいでいる。ホーム３戦目となる栃木戦では１，４５０人と今季のリーグワーストとなってしまった。１７日にはチームスタッフと駆け付けたボランティアによる試合告知のチラシ配りが行われ、こちらも立て直しに奔走している。

今節の試合観戦を予定している方へ。家族、親戚、友人・・・たくさんの人に声をかけ一緒に観戦に来て欲しい。この１週間、讃岐の練習を見て『今度は何かやってくれる！！（はず）』そんな期待を抱くことができた。リーグ初勝利の感動を生で味わい、讃岐の、そしてサッカーの魅力を一人でも多くの人に感じてもらいたいと切に願う。

以上


2014.04.19 Reported by 中條さくら（オフィスひやあつ）