試合2日前、第8節東京V戦のキックオフに合わせてナイトゲームで行われたトレーニングでの紅白戦は今まで以上に白熱したものであった。主力組、控え組の両チームとも激しくプレスをかけあい、公式戦さながらの熱気に包まれていた。
前節5試合ぶりに勝利を手にした水戸。「内容はボールを奪った後のミスが多く、不満があります」と柱谷哲二監督が述べたように、群馬に押し込まれる時間が長く、納得できる内容ではなかった。ただ、それでもチームとしての成長を感じさせる90分であったことは間違いない。それは選手たちが感じ取っていたようだ。
「開幕戦と比べて面白い攻撃ができたと思う」。そう語ったのは開幕戦以来の先発出場を果たした吉田眞紀人。
確かにミスは多かった。しかし、「一つ通っていれば、いい形になる」(吉田)場面が多く、弱気なミスではなく、強気のミスが増えたという実感を手にすることができたという。その感触を「ミスの質が変わってきている」と吉田は説明した。攻守において、チーム全体で狙いとすべきことを共有することができ出している。あとは精度を高めるのみ。群馬戦では勝点3とともに、その手ごたえを得ることができたのだ。
2日前の紅白戦後、柱谷監督は練習後のピッチを見渡しながらこう口にした。「あとほんのちょっとのところまで来ている。この山を乗り越えたら、チームは一気によくなると思っている」。紅白戦の内容の濃さが、チームの歯車がかみ合い出していることをあらためて感じさせてくれた。「前に比べるとイメージの共有ができてきているので、さらに面白くなってきたという印象です」と吉田の表情はさらに明るいものとなった。ただ、しっかりかみ合わなければ、また狂ってしまうのが歯車である。何としてでもここでかみ合わせておきたいところ。歯車を回し、ギアを上げるためにも「結果」というスイッチが必要不可欠。今季2度目の連勝へ、今節は非常に大きな意味を持つ一戦となる。
東京Vの歯車もかみ合いつつある。3対0で今季初勝利を挙げた前々節富山戦。ボランチとして初先発を飾った鈴木惇が潤滑油となったことでチーム全体に流動性が生まれたことが大きな勝因となった。前節岡山戦では0対1と惜敗を喫したものの、以前と比べて安定した戦いぶりを見せていた。現在わずか1勝で20位に低迷しているものの、前進を感じさせている。
東京Vは若く、才能豊かな選手が揃っており、経験を積むことで彼らはさらなる輝きを放つことだろう。また、平本一樹や中後雅喜、田村直也といったベテランも健在。彼らが中軸となり安定をもたらし、若手が躍動する理想の形に近づいている。ベテランと若手が融合すれば、チーム状態は好転するに違いない。どんな内容でも結果を出して、苦しい流れから脱したいところだろう。今節にかける思いは強いはずだ。
両チームともに開幕から試行錯誤を繰り返してきた。そして今、出口が見え始めている。光に向けて一歩踏み出すためにも「勝利」という結果が求められる。現状打破の勝点3をめぐる戦い。両者の意地が激しくぶつかり合う。
以上
2014.04.19 Reported by 佐藤拓也
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