新潟が1-0で甲府を下し、予選Bグループ首位を守った。0-0の後半アディショナルタイム、鈴木武蔵が決勝ゴールを挙げた。若手主体の甲府は、堅守を見せたものの、最後の最後に突破された。
分厚い壁を突き破ったのは、鈴木のヤマザキナビスコカップ予選3得点目だった。後半のアディショナルタイムも3分を経過しようという時間帯。中央で小泉慶からのパスを受けると、ターンして右足を一閃。ボールをゴールマウスに収めた。
「慶からパスをもらった時、ターンを意識していた。ファーに流そうと思ったが、インに引っかかり、相手DFに当たって入った」。ややラッキーな形に苦笑いしながらも、「やはりうれしいです」。予選3得点目だが、ホームでは初ゴール。しかもタイムアップ寸前の劇的な勝利に笑顔が絶えない。
序盤から守備を固めた甲府に苦しんだ。この日の鈴木のシュートは決勝点のみ。ペナルティーエリア内に進入しても、人数をかけた相手に阻まれ、最後の1本を打ち切れなかった。それでも「我慢が長かったけど、じれずにやろうと思った」。相手のラインを下げ、裏を狙う動きを続けた。その成果が最後に出た。
ナビスコカップ予選は3戦全て、リーグ戦でも第4節鳥栖戦から4試合連続でスタメン出場中。ただ、リーグ戦はまだ無得点。予選1節の徳島戦(3月19日)で2得点後、ゴールからは遠ざかっていた。スタメンというチャンスをもらいながら結果ができなかったが、最も大事な場面で形で示した。「ナビスコカップは優勝を狙っているし、この試合は勝ちたかった。リーグ戦でもゴールを狙っていきたい」。言葉には自然と力が入った。
相手の固いブロックを最後の最後に崩した内容に、新潟の柳下正明監督は「自信にはなっていないと思うが、1つの崩し方、こういうことをすればチャンスができるということは分かったと思う」と及第点を出した。ポゼッションしながら、じっくりと相手守備の隙をうかがった。中央にスペースができると、縦にボールを入れて勝負。バイタル付近からは常に裏を狙い続けた。「まずは中央から攻める。今までやってきたこと」。柳下監督は普段の積み重ねの成果を強調した。
甲府にとっては、ほとんどの時間帯が自分たちの思惑通りに進んだ試合だった。守備を固めて奪ってから一気に前に出る。新潟のポゼッションに隙が見えたときは、ボールを奪いに行く。シュート数は6対5と上回った。ワンチャンスをものにしようという流れはできていた。
ただ、粘り強い守備も最後の最後に力尽きた形だ。ゴール前できたわずかなスペースから崩された。自分たちの守備以上にしつこい新潟の攻撃に屈した。
もっとも、収穫もあった。2本のシュートを放った金子昌広ら6人が今季初スタメン。若手主体のメンバーが、最後まで集中力を発揮した。「彼らにとっても、成果と課題をつかめたゲームだったと思う」。甲府の城福浩監督は手応えを口にした。
どちらも自分たちの戦いに徹した一戦。勝敗以上に得たもの、見えたものがあった。
以上
2014.04.17 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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