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【ヤマザキナビスコカップ 浦和 vs 徳島】プレビュー:好調の浦和が公式戦4連勝を目指す。徳島は逆境から抜け出すきっかけをつかめるか(14.04.16)

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公式戦3連勝と好調の浦和が、埼玉スタジアムで徳島を迎え撃つ。12日に行われた名古屋とのリーグ戦第7節は2−1と僅差の勝利だったが、攻撃に関しては点差以上にクオリティーの違いを見せつけた。
自陣でのビルドアップでは丁寧にボールを繋ぎ、ここぞというタイミングで2シャドーや1トップに縦パスを入れて攻撃を加速させる。相手が中央の守備を固めていたら、ロングボール一発でワイドの高い位置に張っている味方にパスを通し、サイドで起点を作って攻略の糸口を探る。
中から外、外から中という『ミシャサッカー』の真髄とも言える揺さぶりで名古屋を困らせた。名古屋は前からプレスを掛け、なんとか浦和にリズムを作らせないようにしようとしたが、うまくハマらないことが多くなると、DFラインを下げて対応せざるを得なくなっていった。

浦和はほぼ90分を通して試合の主導権を握り、自分たちのやりたいサッカーを見せ続けた。ただ、ディフェンス面では散発的だったものの、相手にシンプルな攻めから危ない場面を何度か作られていた。最近は攻撃面での好パフォーマンスが続いているが、それに引きずられて少しずつ脇が甘くなっているのは不安なところ。徳島のように堅守速攻を狙ってくるチームを相手にする時は、リスクマネジメントの意識を強く持って戦わなければいけない。

一方、徳島は開幕から苦境に立たされている。昇格元年の徳島は第1目標であるJ1残留に向けて好スタートを切りたいところだったが、リーグ戦ではここまで7戦全敗。ヤマザキナビスコカップでも黒星を喫しており、ここまで公式戦全敗と厳しい現実に直面している。
不振の原因の1つは得点力不足。リーグ戦での総得点はわずかに1と苦しんでいる。J1という上のカテゴリーで戦う際に、ゴール数があまり伸びないのはある程度想定していたことだろうが、それにしても苦しい状況だ。
ただ、それよりもっと深刻なのは、チームの根幹を支えてきた守備が不安定なことだろう。失点は第7節を終えた時点で22、これはJ1ワーストの数字だ。守備で我慢してカウンターに活路を見出す、それがチームスタイルのはずだったが、その土台となる部分が揺れている。
前半は粘ってゼロでしのぎ、後半に勝機を見出す。今季はその形がうまく機能していないだけに、徳島としてはこの一戦で自分たちのスタイルに対する自信を取り戻したところだ。

浦和が主導権を握ってゲームを進めていくのはまず間違いない。ただ、徳島も何もしないで埼玉スタジアムに乗り込んでくることはないだろう。策士の小林伸二監督のこと、できるかぎりの浦和対策を仕込んでくるはずだ。しかし、それでも浦和のやることは変わらない。最近のパフォーマンスに自信を深めている選手たちは、相手が何をしてこようとも力でねじ伏せてやるという気概に満ちている。
とは言え、調子に乗って前がかりに攻めに行きすぎたり、前からボールを奪いに行きすぎたりすると、危険なスペースがポッカリと空いて、徳島に付け入る隙を与えてしまう。徳島には津田知宏を筆頭にスピードのある攻撃陣がいるので、バランスには気を付けて戦いたい。

浦和はヤマザキナビスコカップ予選Bグループで現在4位。上位3チームが勝点4で並び、その3チームを勝点1差で追う立場だけに、ホームゲームで勝点を落とすわけにはいかない。

以上

2014.04.15 Reported by 神谷正明
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