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【ヤマザキナビスコカップ 仙台 vs 鹿島】プレビュー:今季公式戦初勝利をあげた仙台は、強敵・鹿島相手に得意のカウンターを仕掛けられるか(14.04.16)

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J1が開幕してから1カ月以上が経った、4月12日のこと。仙台はJ1第7節にして、ようやく今季公式戦初勝利を記録した。この試合を前にした9日に、グラハム・アーノルド前監督が退任し、渡邉晋新監督が就任。たった3日の準備期間のなかではそれまで以上の重苦しさが練習から感じられたが、「まずは攻守の切り替えの速さをポイントにした」と渡邉監督はチームとしてやるべきことを整理。仙台が好調だった2012年のイメージ、換言すれば高い位置でのボール奪取からカウンターを仕掛けるイメージを取り戻すことで、強敵・横浜FM相手に0−2の勝利を収めることができた。

長く苦しい時期を経てつかんだ1勝であるだけに、そのわずか3日後に公式戦が控えている状況でも、仙台の練習では疲労感より達成感が目立つ。14日には、就任したばかりの里内猛フィジカルコーチがウォーミングアップの場を盛り上げた。アウェイでつかんだこの1勝を、仙台は今後の反撃のための勢いに繋げなければいけない。
「1つ勝つことで、どんよりしていたものが吹き飛んだ感じです。1勝がチームを元気にしました」と石川直樹は実感しているが、こうも付け加えた。「しかし、逆にこれでゆるんでしまってはいけません。引き締めるべきところは引き締めて、ピリッとしなければ」。

そのような状況の仙台が16日のJリーグヤマザキナビスコカップで対戦する鹿島は、仙台が気を引き締めるには絶好の相手といえる。J1で2位につけ、世代交代を進めながら結果を出している強敵で、昨季に果たせなかったこの大会のタイトル奪還を狙っている。ボランチの柴崎岳やトップ下の土居聖真が戦況判断能力をいかんなく発揮して周囲と連動、隙を見せずに隙を突く。
直近の公式戦であるJ1第7節・新潟戦で鹿島は惜しくも敗れたものの、チャンスを得た赤崎秀平やカイオがチームに推進力をもたらし奮闘。Jリーグヤマザキナビスコカップの方の前節・鳥栖戦では強靱なルイス アルベルトが活躍するなど層は厚い。この一戦でもニューヒーローが誕生する可能性は高い。

また、仙台にとって鹿島は今季のJ1第2節で痛い敗戦を喫した相手でもある。このときは攻守が未整備の仙台は鹿島に歯が立たず、サイドに突き抜けたダヴィのクロスを2度、遠藤康に蹴り込まれて黒星を喫した。
「まさに試合巧者のチーム。カウンターの速さもあれば、個人技の高さもある」。オールラウンドな鹿島の試合運びを鎌田次郎は警戒する。しかし「プレッシャーを掛け続けて、相手の自由を奪いたい。今季の仙台はまだホームで勝っていないので、サポーターもモヤモヤしているはず。ユアテックスタジアム仙台で勝って、リーグ戦に繋げたい」と、ホームでの勝利を誓った。
J1第7節・横浜FM戦で負傷したウイルソンや角田誠の出場が難しそうだが、主力が不在ならば代わってチャンスを得る選手がいい流れを引き継ぐ義務がある。誰が出ても、12日に取り戻した鋭利なカウンターのイメージをピッチ上で表現したいところだ。

ホームの仙台は自信を重ねられる勝利を、アウェイの鹿島はあらゆるタイトルを取ることに繋げる勝利を、それぞれ狙う。両チームにとって最優先で必要なものは、テストではなく、勝利だ。

以上

2014.04.15 Reported by 板垣晴朗
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