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【J2:第7節 東京V vs 岡山】レポート:1勝同士の戦いは、岡山に軍配。東京Vは、またしても内容は悪い中での黒星。(14.04.14)

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東京Vは、またしても、一発に泣かされることとなった。
前半から主導権を握り、良いリズムでフィニッシュの形までもっていけていた。田村直也、鈴木惇ら中盤底の選手によるミドルシュートも何度も見られ、「ホームで勝利することが本当の意味でのスタートだ」(三浦泰年監督)という、ホーム今季初勝利への強い思いがチーム全体から伝わってきた。効果的だったのが、平本一樹をターゲットにボールを入れ、そこからの展開。前半はほぼ100%に近い勝率で相手に競り勝ち、しっかりと収めたところで周りの常盤聡、安在和樹らが仕掛け、チャンスを作った。平本のキープ力と相手をいなす落ち着きが、この試合は時に際立っていた。また、セカンドボールの多くを東京Vが拾って中盤を制すことができていたため、岡山に思い通りのボール運びをさせず、FWに決定的な仕事をさせることはほどんどなかった。
その中でひときわ目立ったのが、2人の“アンザイ”だったのではないだろうか。左サイドの安在和樹は、前節からこれまでのサイドバックから1列上のウイングとして起用され、スピード、ドリブル、クロスの精度などの特長が、よりチャンスに直結した形で生かせるようになっている。この試合でも、積極的なドリブル突破、ボランチからのボールに抜け出してシュートなど、得点機にも絡み、前線選手としての役割りをしっかりと果たしていた。もうひとりは右サイドバックの安西幸輝。開幕から先発出場が続いているのが、最初の頃こそルーキーだけに遠慮がちな様子が伺えなくもなかったが、ここ最近では自信もつきはじめ、ドリブル突破、クロスと攻撃面での貢献度は高い。同時に、持ち味のスピードで攻守の切り替えも素早く、しっかりとカウンターを防ぐことができていた。

だが、9本のシュートを放ち、相手を3本に抑えていたものの、「前半の最後のところ(約5分前後)でペースを掴まれて(前半が)終わった。後半に入るにあたって、短い時間ペースを掴まれたことに対してネガティブになりすぎないように気をつけてグラウンドに入れたいなと思っていた」との三浦監督の懸念は、残念ながら杞憂ではなかった。後半に入ると立場は逆転し、岡山がセカンドボールを拾うようになると、一気に主導権を持って行かれた。
前線へのロングボールが多かったことから、「後半に入って、少し攻撃に工夫をして変化を付けようとしていた」(鈴木)。が、細かいパスワークでの崩しを増やそうと思っていたところで、ビルドアップの途中でのボールロストが増え、簡単にボールを奪われるようになったしまった。逆に言えば、岡山のプレスが効果的に効くようになり、セカンドボールへの意識が強まったということだろう。前半は東京Vが制していた中盤での攻防を、今度は岡山が制し、流れをつかんだ。
そして後半14分、ゴール前のピンチを凌いだクリアボールを拾った、この試合が移籍初の先発出場となった上田康太の絶妙な浮き球に反応したのが荒田智之。「練習からイメージできている形。トラップもうまくいったし、何よりも良いパスが出てきたので感謝したい」瞬間にGKと1対1となると、落ち着いて流し込んだ。

内容的には、「決して悪い試合ではなかった」と、中後雅喜が語った通り、後半もシュートは9本vs3本と大きく上回った。後半39分、金鐘必のクロスに常盤、安在、常盤と、3本連続のゴール前での超決定的シュートの応酬が続いたが、GK中林洋次の好セーブなど、岡山に凌ぎきられ、ゴールをこじ開けることができなった。「あれが入っていれば」「惜しかった」。もっと言えば「前半のうちに1点取れていれば」との声も聞こえがちだが、いずれも得点にいたらなかったことが全て。自分たちの今の実力だということは、誰よりも東京Vの選手たちが一番理解していることに違いない。「運もあることなので、その運をトレーニングから貯めていかなくてはいけない」と、主将の田村は語った。今季チームは、この試合でも平均年齢23.55歳、10代選手4人と、非常に若い。だが、田村は日頃から、「J2というプロの試合のピッチに立っている以上、出ている選手は若いとかベテランとか関係なく、同じように責任を負わなければいけない」と語っている。厳しい言い方になるかもしれないが、J3降格の危機があることは、「若い」からといって免れるものではない。まだ7節が終わったところだとはいえ、結果により強くこだわっていく必要性を、早くも突き詰められているのではないだろうか。

今季2勝目を挙げた岡山は、新加入の上田の活躍が今後の戦いに対する期待をもたらしたのではないだろうか。アシストとなったループパスは、彼らしい、創造性溢れるボールだった。ボールタッチが柔らかく、視野も広い。加えて「元々、僕のパスを受けてくれていた選手がいる」前線に押谷祐樹、荒田という磐田時代からパスを出し続けている選手がいるだけに、互いの特徴は熟知できていることも大きなアドバンテージだ。さらに、「守備の部分で、ボールを取るためにスライディングをしてヘディングで競り合いをしてという、実は彼のプレースタイルから似つかわしくない、泥臭いとかいうことがこのチームでは必要なのですが、そういったことトライしてくれていたことが見ていて非常に嬉しかった」と、影山雅永監督からの攻撃だけだというイメージを覆すことにも成功したようだ。岡山にとっては、「とても大きな1勝でした」(荒田)。次節、まだ勝利のないホームでの勝点3を誓っていた。

以上

2014.04.14 Reported by 上岡真里江
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