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【J2:第7節 京都 vs 山形】レポート:京都・大黒将志、山形・宮阪政樹と、両雄の得意なゴールが飛び出す見応えのあるゲームは、勝点を分け合う結果に。(14.04.14)

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京都と山形の西京極での一戦は、素晴らしいゴールが生まれ、互いに譲らず勝点1を分け合った。
山形は、左サイドに山崎雅人が先発。京都は前節と同じメンバーで臨む。キックオフ直後から迫力を持って入ったのは山形。蹴りだす先には萬代宏樹とディエゴがおり、そこで何かを起こそうとした。開始直後にディエゴと京都DF・酒井隆介の頭が当たり、酒井が左目の上を切り、治療でピッチを離れる。
試合は早々に動く。9分、山形がやや右サイドで30mはあろうかというFKを獲得すると宮阪政樹がこれを直接沈め、山形が先制する。宮阪は京都GKの動きを事前に予測、さらに「いい形で手前でバウンドした」(宮阪)ことで貴重な先制点を呼び込んだ。
山形の戦い方に慣れて来た京都が落ち着いてボールを運ぶのは20分過ぎ辺り。左で駒井善成がドリブル突破を見せると、サイドを使い、起点を作り始める。そして、39分、今度は京都が素晴らしいゴールを見せる。左サイドで起点を作ると、中央マイナス位置のジャイロへ。前の大黒将志へ送られると、大黒がこれを右の石櫃洋祐へ。石櫃がクロスを入れると現れたのは大黒。ニアで頭で合わせて叩きこむ。一連の流れ、大黒の動き出し、石櫃のクロスと、見応えのあるゴールで京都が1−1の同点に追いつく。

後半、サイドを使って攻撃を仕掛ける京都。57分に山瀬功治が抜けだし、61分には駒井がDFの背後に潜り込みシュートに持ち込むも枠を捉えられない。逆に山形は66分に山崎が京都DFの裏を取りGKと1対1になるが京都GK・オスンフンがナイスセーブを見せる。
こう着状態からスコアを動かしたのはまたしても山形。79分に、左で途中出場の、川西翔太から秋葉勝へつなぐと、秋葉が丁寧に落とす。これを宮阪が強烈ミドルシュートを放つと、はじき返そうと伸ばした京都DFの足に当たってコースが変わり京都ゴールへ吸い込まれる。これで山形が2−1とリードする。

同点に追い付きたい京都は山形ゴール前にボールを送り込むパワープレーに転じる。中盤が空き、互いに攻め合う展開になり、迎えたアディショナルタイム。エリア内左で、途中出場の有田光希が中へシュートを放つと、それが中央の大黒、バヤリッツァへと渡り、バヤリッツァが大黒へリターン。それを大黒が「前に敵がいたが慌てずにキーパー動かそうと思って横に動かして、冷静に」と、一度ボールを動かし相手の重心がずれたところを冷静に流し込み今節2点目。京都が土壇場で2−2と追い付く。
結局このままタイムアップ。互いに譲らず、勝点1を分け合った。

試合後、山形・石崎信弘監督は「(前線に)川西を入れて、ボールが落ち着いた。(さらに)ボランチとサイドでボールを落ち着かせたいと秋葉を入れてロメロ フランクをサイドに出した」と、後半の采配を説明してくれたが、その通りの展開だった。後半、互いに打ち合う様な展開になるとサイドのスペースを使いボールを運んだのは山形だった。そこで京都ゴール前へとボールを送りこんだ。そこで失敗して京都ボール、さらに京都が長いボールを送り込んで、それがまた山形ボールと、プレーが続いていった。

京都は大黒のプレーが全てと言っていいだろう。1点目の動き出し、石櫃のクロスの質。おまけは比嘉祐介。映像で確認すると彼もゴール前に入っていて、大黒のゴールに真っ先に抱きついていた。2点目は大黒の冷静さと技術。最も密集度が高いゴール前で相手を動かそうとした冷静さとそれをきちんと表した技術力。脱帽だ。エースと言うよりも、確実に仕事をこなすすご腕の用心棒という印象だ。
蛇足だがゴールでは宮阪のFKも見事。キック前の冷静な状況判断、蹴る前の風格、石川竜也に負けず劣らずの冷徹なキックを見せた。

京都の試合運びで言えば、石櫃が試合後に「ボールを持っている選手をサポートしないと。孤立させているシーンも結構あったので、そこをどんどん周りがサポートしないと(いけないと思う)。後は自分たちがボールを持っている時に中で作って外、というのが結構効いていたと思うので、そこでもっと精度を上げていかないと。僕自身の精度も含めて」と語っていたが「ボールを持っている選手のサポート」というのは大いに首肯したい。
山形は試合の入りとして、前線目がけて入れてきた。京都はそれに合わせてしまい、跳ね返すサッカーになった。入れてくる山形、跳ね返す京都という展開。それがサイドを使える様になるのが前半の中頃以降。それが出来て京都が流れを掴んだという感じだった。
強く感じたのは、サイドに持ち出し、相手に囲まれてからやり直して逆に展開できるとゲームが格段に落ち着く感じがあったこと。35分ごろに左サイドでバヤリッツァから前の山瀬、そこから山瀬が逆へ展開出来た時、観ているこちらとしては流れる様で綺麗だと感じられたし、相手のプレスも自然にかいくぐっていた。
これは、サイドで押し込んだ時も同様だろう。押し込んで、動きが出せないと判断したらやり直しても良いと思う。クロスからシュートのパターン練習では、このやり直しもプログラムに入っていたはず。それを表現しても良かったのでは、とは思った。ただ、負けている状況だったので一気に攻めたい気持ちも尤もで、批判はない。

サイドで攻め込んでのやり直しのためには、結局は「周りがどれだけサポート出来るか」、或いは「周りがボールを引き出すポジションを取れるか」になるだろう。そのために「走る」ということ。そして、「どこに走るか」を明確にすること、これが「走りの質」になる。さらに、ボールが動くことで、また周りの選手がそれに連動出来る様に走り出す、これが「走りながら考える」ということだろう。
少しずつ出来ている部分もあるし、石櫃が指摘した様にまだ意識を持って取り組まないといけない部分もある、そうことかもしれないと感じさせた。

以上

2014.04.14 Reported by 武田賢宗
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