「前半のバタバタの入りから、まさか4−0で勝てると思わなかった」と会見冒頭で愛媛の石丸清隆監督は振り返ったが、前半30分頃までは富山のペースで試合が進んだ。富山の安間貴義監督も「(中島)翔哉や白崎もボールを触るようになったし、いい流れはできたと思う」と指摘をしたが、左サイドでは中島翔哉が愛媛のハンヒフンをスピードで圧倒。右サイドからは苔口卓也が攻め上がり、狙い通りサイドを突いてチャンスを広げていった。
それだけに、富山にとっては先制点が生まれた前半34分のプレーが悔やまれる。中途半端なクリアを拾われて、クロスを西田剛に押し込まれてしまう。逆に、愛媛にとっては待望の先制点を最初のチャンスで奪い取った。しかも、ゴールは期待されていた新FWの愛媛初ゴール。ムードメーカーの得点で流れを引き寄せたが、富山も前半は1失点で踏みとどまった。
すると、後半に入ると富山が再び息を吹き返そうとしていたが、ここで結果を出したのが愛媛のベテラン。チャンスと見ればセンターバックの村上佑介が上がり、中央へ折り返す。そこに飛び込んできたのがキャプテン吉村圭司だった。吉村は冷静にシュートを流しこんだが、経験豊富な2人の仕事で愛媛はリードを広げることに成功した。さらに愛媛はコーナーキックから2点を追加。後半14分にはニアサイドで西田が合わせ、続く25分にはニアサイドで浦田延尚が潰れた後ろから村上佑が飛び込んで試合を決めた。
これで、富山にとっては前節・東京V戦の3失点に続いて4失点で敗れるという厳しい結果に。試合終盤、大山俊輔や西川優大がゴールに迫ったが、それも愛媛守備陣の体を張った守りに阻まれて一矢報いることも叶わなかった。試合後、大山は「結果が出ていないのが全て。しかし失うものはないと考え、1つになって乗り越えるしかない。1つ勝てばまだ挽回できる」と前を向いたが、狂った歯車を元通りに戻すきっかけをつかみたい。この試合でも得点こそ生まれなかったが、やはりチャンスは作った。どちらかと言えばもう一度守備を立て直すことが必要になる。ミスマッチが生じてしまったセットプレーも含め、粘り強く戦うことで勝機を見出していかなければならない。
一方の愛媛。今日の勝利は1つのきっかけをつかんだに過ぎない。セットプレーの2得点は大きな収穫になるが、石丸監督が目指すパスをつなぐサッカーにはまだ遠いというのが現状だろう。この試合に関して言えば雨で滑りやすいピッチコンディションがあったとはいえ、意図のある、相手を崩す攻撃は少なかった。それ以前に、パスの出し手と受け手で意思の疎通が合わないシーンも多かった。もちろん、一気に全てが好転するはずもないわけで、1つひとつ改善を繰り返すしかない。ただ、この試合の最大の収穫は自信を持って戦える状況が作れたこと。点を取るべき選手が取るべき時に取り、完封もできたことで勝ち方としては理想的。今の愛媛にとって大事なことは、これをしっかりと次の試合に生かし、今後のシーズンにつなげていくことだろう。
以上
2014.04.14 Reported by 近藤義博
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