今日の試合速報

ACLE
ACLE

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第7節 栃木 vs 松本】レポート:雌雄は開始6分で決した。岩上の躍動で松本が連敗を2で回避。エース不発の栃木は連勝ならず。(14.04.14)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
サッカーは難解で奥深い。改めてそのことを思い知らされた一戦だった。松本の反町康治監督も、その一人。
「サッカーは面白いスポーツで、内容の良い試合には勝てなくて、内容があまり良くない試合では勝つことができる」
0―2とビハインドを負っていたという条件付きながら、2点差からの栃木の試合運びは前節の讃岐戦(1○0)に比べて格段に良かった。対する松本は、前節の札幌戦(0●1)の方が内容としては良かった。結果に内容が付随しなかったことで、試合後の松本の選手の顔に安堵の色はなかった。とはいえ、反町監督が「今、我々に必要なことはゲームに勝ち切ること」と言ったように、連敗を2で止められたことは小さくなかったはずだ。

電光石火の一撃を食らったのは、ホームの栃木だった。開始からわずか37秒でゴールネットを揺らされてしまう。右サイドのスペースへ船山貴之に走られ、対応にあたったチャ・ヨンファンが潰しきれず。その間に最終ラインはズルズルと後退。中盤と最終ラインの間がぽっかりと空き、そこへ走り込んだ岩上祐三にビューティフルなミドルを決められしまった。バイタルエリアにいるべきボランチの小野寺達也は最終ラインに吸収され、留守にしたスペースを誰も埋められなかったことで失点を招いた。松本に4―1―4―1のワンボランチの穴を見事に突かれた。

出会い頭の失点だけに、挽回のチャンスは十分に残されていたはずだった。しかし、1失点目からたった5分で再び被弾する。安易なミスからCKを与え、ルーズボールを飯田真輝にねじ込まれてしまう。6節終了時点で失点3。リーグ屈指の堅守が脆くも崩れ去った瞬間だった。

2発のパンチを浴びたことで、ようやく目が醒めた栃木。ボールを動かしながら右の湯澤洋介を効果的に使い、リズムを掌握することに成功する。ところが、前半44分のFKでクイックリスタートした近藤祐介のパスが、簡単に相手に渡ったことが象徴的だったように、流れを掴んで攻勢に転じる場面でのミスが目立った。同じようなことが何度も繰り返される。後半にCKからドゥドゥが追撃弾を決めるも、さらに追い討ちをかけられなかった要因となってしまった。

連敗を回避した松本だが、「うちは走り勝つチームだし、連戦、夏場に強いと言われているので、後半に強さがないといけない。このままでは拙いと思っている」と、飯田は後半の試合展開に疑問を呈した。サッカーで2―0は危険なスコア。実際、1点差に詰め寄られた。後半は守りに入ったわけではなかったが、カウンターの迫力が乏しく、本来の姿からは程遠かった。慎重さが勝点3を持ってきたとも言えるし、慎重すぎたが故に3点目を取れなかったとも言える。このあたりの解釈は、個々人で分かれるところだろう。ただ、勝って反省できるのは悪くない。今節出た課題を次節以降にクリアにし、さらに順位を上げていきたい。

開始6分で勝負を決められてしまったことは大いに反省すべきだが、そこから盛り返して1点差にしたことは栃木のプラス材料。阪倉裕二監督は、そう捉えている。ネガティブな側面だけをフォーカスしない指揮官らしい考え方だ。選手がナーバスにならないようなマネジメントが奏功しているのは、ここまでの結果が証明している。

松本に詰め寄ったことは収穫だが、またしても「最後のパスの質、クロスの質は課題」(阪倉監督)として残った。せっかく差を縮めたのに、そこから同点、あるいは逆転に持って行けなかったのは、質が不足していたからに他ならない。質さえあれば、溜息をつく回数よりも多くのチャンスとゴールが生まれていたはずだ。一朝一夕に精度が向上することはない。だからと言って、改善する努力を惜しんではいけない。週明けのトレーニングから高い意識で臨み、グラウンドで問題点を解決するしかない。

以上

2014.04.14 Reported by 大塚秀毅
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/11/25(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田J3リーグ全ゴールまとめ【1124】