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【J1:第7節 横浜FM vs 仙台】レポート:まさに原点回帰。仙台が攻守の切り替えの早さで今季初白星。横浜FMはイーブンな試合展開も「気迫」で上回れず(14.04.13)

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仙台は、試合のスタートから守備ラインを高く設定。ボールを奪うとロングボールとドリブルで素早く仕掛ける。その急先鋒として序盤から攻撃のスイッチを押し続けたのは、右MF太田吉彰。まず3分に速いアーリークロスを蹴り込み、ウイルソンがヘッド。7、8分と連続して猪突猛進の突破からシュート。その後、何度もスピード感満点の直線ドリブルで存在感を示した。そして先制ゴールの前のCKを獲得したのが、太田のドリブルであったのも見逃せない。

守備面で目に付いたのは、太田と反対サイドの梁勇基。ボールを奪われた後の守備がとにかく早かった。例えば22分、相手の小林祐三がクリアする際、梁が猛然と飛び込んでブロック。前へ簡単に蹴らせない。31分にはライン際で再び小林と1on1。闘志むき出しのガツガツした守備で止め、サイドへ押しやった。
もちろん、実直に前から追い込んだ2トップ、齋藤学と中村俊輔という相手の“飛車角”を高い集中力で封じた最終ラインも、失点ゼロの要因だ。

かといって、一概に仙台が主導権を握っていたゲームとは言えない。
「90分を通してどちらが主導権を取ったかというと、どちらでもないようなゲームでした」と樋口靖洋監督が言ったのは負け惜しみではない。どっち付かずのゲーム展開が続いていた。横浜FMも16分、58分に伊藤翔が裏に抜け出し、2度の決定機を迎えた。だが、無情にもどちらのフィニッシュも相手GKの正面へ。数字を見てもシュート数11本(仙台11本)、CK8本(同7本)、直接FK11本(同12本)と仙台に全く引けを取っていない。けれども結果は0−2。その差はどこで生まれたのか。

一番大きかったのは、メンタルの差かもしれない。試合後の仙台・梁、横浜FM・兵藤慎剛のコメントを対比させると、そう受け止めざるを得ない。
「どんなに泥臭くても、きれいなサッカーでなくても、とにかく勝つことが大事だった」(梁)
「(最近)勝ててないから、全員がボールを受けるのに自信がないというか、ボールを受けようという気持ちが少ないのかなと思う」(兵藤)
この温度差が両チームのオフェンス時の迫力の差として現れていたように思う。パス1つとっても、果敢に「縦」を突こうとした仙台に対して、横浜FMは無難に「横」に回すシーンが目に付いた。そして66、81分のゴールシーン。1点目は赤嶺真吾が頭でねじ込み、2点目は石川直樹が一瞬、相手DFの前に入り、意地のヘッドで合わせたところで勝負あり。GKに1度は防がれるも、赤嶺がプッシュした。先の梁の言葉を象徴するゴールだった。

試合終了の瞬間、渡邉晋監督は力強く拳を握り、ガッツポーズ。そこへすぐさま渡辺広大が駆け寄り抱擁を交わす。仙台ゴール裏ではサポーターが狂喜乱舞し、黄色い高波が立っていた。
一方、横浜FMのゴール裏からは大音量のブーイングが鳴り響く。これでリーグ戦直近4戦で1分3敗…。今後ゴールデンウィークまで連戦が続くが、どう立て直すのか。トリコロール軍団の正念場である。

以上

2014.04.13 Reported by 小林智明(インサイド)
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