6試合を終えた段階で首位の湘南は6連勝で勝点18と遠くに行ってしまった感じはあるが、勝点8で12位の横浜FCと勝点7で14位の岐阜にとっては、これ以上離されないためにも今節は大事な試合となる。岐阜は開幕連勝で第2節には単独首位となり、横浜FCも第4節終了時には連勝を果たして4位に浮上し、昨年とは違う強さを見せていた。しかし、横浜FCはこの2試合、試合運びのまずさから連敗を喫し、岐阜は4試合勝利から見放されている。いくら内容が良くても、結果がついてこないと内容へ負のフィードバックが掛かっていくことはよくあること。それだけに、両チームとも連勝時の好調を思い出して、勝点3を確実に手中に収める試合にしたいはずだ。
横浜FCは、前節の熊本戦で、試合のコントロールという面で「もったいない」(山口素弘監督)試合をしてしまった。直接FKが両チーム通算で53本という、流れが切れがちだった試合において、サッカーそのものの流れすら自ら手放すようなシーンが多かった。そして、不安定なメンタルコンディションから失点。それが重くのし掛かってしまった。だからこそ、今節の戦いに求められるのはゲームを通じた落ち着きをいかに作り出すことができるかという点だ。
「自分たちのサッカーをやるのはもちろん。その前に走るとか、球際を強くとかサッカーをの基本をやらないと。前回はそれができなくてイライラしたりして、リズムがなくなった。自分たちがやるべきことに集中して、何が起きても動じずにやることをやれば結果はついてくると思う」(佐藤謙介)
サッカーの内容としては全体的には守備が安定しているが、一方で開幕戦を除いて失点をしており、失点0で抑えるというのはこの試合の大きなテーマとなる。守備のやり方の問題というよりも集中力という点でのもったいない失点が出てきているだけに、90分間の集中力で無失点試合とすることは大事だ。また、6試合で5得点の攻撃陣にも結果が欲しいところ。今季、横浜FCユース出身で初めて開幕スタメンを勝ち取り、6試合連続でスタメンとなっている小野瀬康介も再三の決定機を掴み、積極的にシュートを放ちここまでで1得点。この積極性をなんとか結果に繋げて、選手としても次のステップに登りたいところ。この積み重ねが、強い攻撃陣を作り出すはずだ。もちろん、黒津、ホナウド、パク ソンホなどのFW陣にも大きな期待が掛かる。
対する岐阜は大型補強が非常に注目されているが、一方で今季就任したラモス監督が岐阜に注入しているパスを繋いで崩すサッカースタイルには大きな手応えを掴んでいるようだ。前節の福岡戦でも、立ち上がり、そして後半とそのスタイルをピッチに表現していた。相手陣内でパスを繋ぐ力は格段に向上しており、またそのゾーンでの支配力を高めるための全体的な押し上げも機能している。前節は、福岡がロングボールを多用しコンパクトさを失わせようとしたが、その狙いにも着実に対応していた。三都主のゴールは、その姿勢が結実したものだった。だからこそ、三都主のゴールの直後の失点で敗戦を喫したところは、やはり大きな反省材料。この試合では、ラモスサッカーを確実に勝点に繋げていきたいところだ。現在3ゴールのナザリトが注目選手ではあるが、ベテラン選手が状況に応じた気の利いたプレーをしているところも要注目。昨季まで横浜FCに在籍していた高地系治は、横浜FCの弱点を突く絶妙な動きを見せるはずだ。
パスを繋ぐという点で、横浜FCと岐阜は似たスタイルを取る。さらに、コンパクトにするという点でも、共通項は多い。その点で、足下のプレーだけでなく、全ての選手がより効果的なボールの保持を可能とするポジショニングが取れるか、中盤での駆け引きが1つの見所となる。そして、シュートチャンスを生み出すポイントは、局面での1対1での勝負と攻守の切り替えの早さ。上手さだけではなく、激しさと集中力が勝点3への大きな鍵となる。
ラモス監督対カズという取り上げ方もされているが、高地、難波宏明、杉山新、田口貴寛コーチと、岐阜には横浜FCに在籍した選手・コーチも多く、因縁も感じさせる一戦となる。今後の上昇のためには、両チームともに正念場となる一戦。この大事な一戦に賭ける意地を見届けたい。
以上
2014.04.12 Reported by 松尾真一郎
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