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【J2:第6節 岐阜 vs 福岡】レポート:内容は岐阜、結果は福岡。成長を示した岐阜は自信を持つべき試合。(14.04.06)

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4戦負けなしと好調を維持する福岡と、2勝2敗1分けだった岐阜だが、5試合とも内容では決して相手に負けていない岐阜。この一戦は内実共に、このお互いの状況を如実に表す結果となった。

立ち上がり主導権を握ったのは岐阜。岐阜は福岡の前線からのプレスを掻い潜るべく、ロングボールを効果的に織り交ぜてきた。前線のナザリトをターゲットに、高地系治と太田圭輔の両サイドが高い位置に張り出して、高いラインを敷く福岡DFの裏のスペースを果敢に狙った。

それに対し、福岡はプレスが混乱したが、徐々に落ち着きを取り戻していく。効果的だったのが若きアタッカー・金森健志の前への推進力と、エース城後寿の存在感、そして左サイドバック・阿部巧の果敢なオーバーラップであった。この3つの個性を生かしながら、岐阜のサッカーをけん制し、こう着状態に持ち込んで行った。

しかし、30分を過ぎると、再び岐阜が主導権を握り始める。今年の岐阜の特徴の一つとして、ロングボールを入れる際、DFラインやボランチラインがそれに連動して積極的にプッシュアップを仕掛けていることが挙げられる。これが出来ているからこそ、セカンドボールを前向きに拾うことが出来て、2次、3次の攻撃につなげられている。それがこの試合でも出た。福岡の高いDFラインに対し、岐阜のDFラインも積極的なビルドアップを仕掛けて応戦。水野泰輔と宮沢正史のダブルボランチがバイタルエリアに飛び出し、ロングボールとショートパスでの崩しをうまく織り交ぜて、福岡守備陣を揺さぶる。

31分、右サイドバックの野垣内俊のロングフィードに抜け出した太田が、技ありトラップからループシュートを放つが、GK神山竜一がセーブ。こぼれ球をナザリトが拾い、最後はFW田中智大が狙うが、これはゴールライン上でDFイ・グァンソンがヘッドでクリア。32分には太田のスルーパスに田中が抜け出すが、エリアを飛び出したGK神山にクリアを許す。さらに36分には高地のスルーパスに田中が抜け出し、中央へパス。ナザリトのシュートは枠を捉えきれなかったが、完全に崩し切った攻撃だった。後半立ち上がりの50分にも、三都主の左からのクロスに、ナザリトがダイビングヘッドで合せるが、これもGK神山のファインセーブに阻まれる。

60分、岐阜の猛攻に対し、動きの悪かったアンカーのパク・ゴンに代えてMF酒井宣福を投入。1トップの城後をアンカーに移した。相手のエースを守勢に回らせたことで、岐阜に勝機が訪れたかと思ったが、数多くの決定機を作り出せど、決めきれない展開になると、サッカーは得てして劣勢を強いられていた方にチャンスが転がり込むというもの。68分、まさに『必然』とも言うべきシーンがやってくる。福岡は右から城後がロングスロー。これに対し、岐阜はゴール前に一瞬のエアポケットを作ってしまった。そこに入り込んだ坂田大輔が、遅れて対応してきたDFにうまく体を預けながら、ダイレクトボレーを突き刺す。
あまりにも痛すぎる失点。しかし、今年の岐阜はこれでガクッとはならない。ここから息を吹き返し、再び猛攻を仕掛ける。75分にはロングボールに抜け出した太田が、飛び出してきたGK神山よりも先にヘッドで合せる。無人のゴールに向かったボールは、ゴールライン上で必死に戻ってきた城後の足によって、ギリギリでクリアされた。この城後のプレーは素晴らしかったが、GK神山はシュートを放った後の太田に激しく接触。しかし、主審の笛は鳴らず。岐阜は不運にも見舞われた。選手たちは一瞬はヒートアップしたが、そこからすぐに冷静さを取り戻し、85分、右サイドバックの野垣内俊の突破からの折り返しを、ファーで受けた左サイドバックの三都主アレサンドロが芸術的なシュートを決める。両サイドバックの連携によるゴールは、いかに岐阜がアグレッシブな攻撃を仕掛けているかを証明している。

だが、岐阜にとってこのままハッピーなエンディングとはいかなかった。そこは福岡の勝負強さか。87分、中央でDF堤俊輔、MF平井将生と繋がれたボールを、最後はMF石津大介が冷静に蹴り込んで、勝ち越しに成功する。

このゴールで勝負あった。90分間全体でみると、試合は明らかな岐阜ペースだった。しかし、この試合で放った5本のシュート中、2本を確実に沈めてきた福岡に対し、11本中1本しか決められなかった岐阜。この差がスコアに現れた。劣勢ながら結果を掴んだ福岡を褒めるべきだろう。
だが、岐阜にとって決して悲観する内容ではない。もちろん結果が欲しかったのは事実。しかし、この現実を受け止めながらも、自信は持ち続けてほしい。胸を張っていいサッカーを展開している。これを続ければ結果はついてくる。そうエールを込めて、この原稿を締めたい。

以上

2014.04.06 Reported by 安藤隆人
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