湘南11、岡山1という前半のシュート数にも顕著なように、湘南は高い守備意識を背景に攻撃へと展開し、序盤から圧倒した。フィニッシュの意欲はFW陣のみならず、ボランチの菊地俊介がボックスに出てシュートを狙えば、遠藤航が、三竿雄斗が、最終ラインから前に前に出ていく。さながら湧き出る波のように、攻守に出足鋭く淀みなく。「切り替えの速さ、スピード、プレスバックの意識も非常に高い」岡山の影山雅永監督はそう評した。
ただ、「シュート数からも圧倒していたように見えますが、自分たちとしてはもっとできたという感じがあります」と武富孝介が冷静に振り返ったように、攻勢に反してスコアは動かない。惜しいシーンこそあったものの、セットされた岡山の守備も堅く、勝負は後半に委ねられた。
後半に入っても岡山陣内での攻防は続き、得点機は程なくして訪れる。53分、初スタメンの藤田征也のコーナーキックにウェリントンが合わせ、これはGK中林洋次が阻むも、こぼれ球に遠藤が反応した。「DFの選手がみんな点を取っていたので正直ぼくも取りたいと思っていました。相手がゾーンだったのでこぼれは狙っていた。決められてよかったです」。今季初ゴールで岡山の堅陣をこじ開けた。
1−0となり、湘南の攻勢はさらに加速した。再び影山監督は言う。「我々が1点を返すパワーより、湘南のもっと出ていこうとするパワーのほうが大きくなった」。キャプテンの永木亮太が運ぶ間に、菊池大介が左サイドをオーバーラップし、さらに三竿が大外を追い越していく。クロスを送れば、藤田が逆サイドを駆け上がって折り返す。ボックスにはすでに4人が入り込んでいる。守備に転じてもセカンドボールを含めて出足で上回り、球際厳しく相手にボールを運ばせない。
菊池は言う。
「球際や走りなど基本的な部分で相手を上回れたことが勝ちに繋がったと思います」
その菊池はゲーム終盤、マイボールとなるや自陣からゴール目掛けて猛然と駆け上がり、中盤を厚くした相手を掠め、ボールを運ぶウェリントンを追い越して最後を仕留めた。「あの時間帯でも走れるのは練習の成果だと思う」さらりと語った88分のゴールだった。
岡山GK中林は振り返る。「セットプレーで先制点を与えてしまったこと、追加点も防げれば最後に反撃のチャンスもあったと思うので悔しいです。ただ僕らもセットプレーから際どいシーンをつくれていたし、湘南のセットプレーも綺麗に合わされたわけではなかった。セカンドボールといったギリギリのところの差かなと思います」。染矢一樹が今季初出場、初先発を果たすなど、厳しい戦いのなかに今後に繋がる光も射している。まずはアウェイ連戦となる次節へリフレッシュして臨みたい。
一方、湘南はクラブ史上初の開幕6連勝を飾った。「100%選手の力」曹貴裁監督は語り、さらに言う。「選手たちの自立を促さなければ勝点3を得ることが次に繋がっていかない。今年さらに力をつけない限り、上に行っていい選手になれない」。彼らにあって見るべきは、素晴らしい結果を積み上げているその過程、その姿勢、その意識だ。高みを見据えつつ、彼らはつねに足元を見つめている。
以上
2014.04.06 Reported by 隈元大吾
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