２位・磐田と５位・群馬がヤマハスタジアムで激突する。注目点として３つのマッチアップを挙げたい。

１つ目のマッチアップは両チームのアタッカー・山崎亮平、平繁龍一。同学年のFWは共に今季ここまで３ゴール。直接競り合うシーンは多くないだろうが、両チームの攻撃のカギを握る存在である。
第５節終了時点で磐田の得点数はリーグ２位の12得点。１位・湘南の13得点には１点およばないが、チームとして数多くのチャンスを作ることはできている。その中で山崎は開幕戦こそベンチスタートとなったが、山田大記の離脱もあり、第２節・讃岐戦よりスタメンに定着。持ち前のドリブルで存在感を見せてきた。前田遼一、松井大輔、山田大記らタレントを擁する磐田だが、その中で“個”で勝負できる山崎は貴重。この試合も推進力溢れるドリブルで敵陣へ切れ込む。
一方、群馬の得点数は磐田の半分以下の５得点。そのうち３得点が平繁である。群馬のエースは５試合で13本ものシュートを放っており、得点数の少ないチームの中で積極性が光る。前節・富山戦ではPKを確実に決め、貴重な先制点をマークしている。その場面では１度PKを決めたが、主審に得点を認められず、やり直すことに。「絶対に決めてやる」と同じ方向にキックしてゴールネットを揺らし、メンタルの強さを見せた。第４節・栃木戦で相棒・エデルが長期離脱（※左大腿ハムストリング筋断裂・全治４カ月）となっただけに攻撃面の負担はより大きくなるが、ゲームキャプテンとしてチームを牽引する。

２つ目のマッチアップはこちらも攻撃のキーとなる磐田の右サイド・駒野友一、群馬の左サイド・瀬川和樹。
今季ここまで１得点１アシストをマークしているのは磐田・駒野。第２節・讃岐戦でFKを直接叩き込み、第３節・熊本戦では正確なクロスで山崎の得点を演出した。前節・栃木戦では松井、山田と連動しながら右サイドを突き、先制点となったPKの獲得につなげた（※最後はエリア内で山田がファウルを受けた）。「いい形で攻撃できたことがPKにつながったと思う」（同選手）。
対する群馬・瀬川はプロ２年目の今季、自身初となる開幕スタメンの座を勝ち取り、ここまで５試合連続先発フル出場。２アシストをマークしている。左足のキックで第３節・岡山戦では平繁のゴールを、前節・富山戦では青木孝太のゴールを演出した。富山戦の試合後は「（青木）孝太くんとは去年からずっと一緒にクロスの練習をしてきたけど、なかなか試合で合わせることができなかった。今日は試合で初めてクロスのタイミングがあった」と手応えを口にしている。

３つ目のマッチアップは古巣対決となる群馬・黄誠秀とかつてのチームメイトとのマッチアップだ。黄は10年に磐田に加入し、12年まで在籍。磐田との対戦は移籍後初となる。磐田では３年間でJ1戦の出場は叶わなかったが、ヤマザキナビスコカップ、天皇杯でそれぞれ１試合出場。その２試合はいずれもヤマハスタジアムでのゲームだった。異なるカラーのユニフォームに袖を通し、慣れ親しんだかつての本拠地でどんなプレーを見せることができるか。前田、山田、山崎ら磐田攻撃陣とは在籍時の紅白戦で幾度となくマッチアップしている。彼らを封じ、群馬に勝利をもたらすことできるか。

さらに付け加えれば、磐田・シャムスカ監督、群馬・秋葉忠宏監督の采配も注目ポイントである。シャムスカ監督は４戦負けなしという状況ながら、今週の練習で３−５−２を試すなど積極的なトライを見せている。今週の紅白戦ではサブ組に群馬をイメージした３バックでプレーさせており、“対策”は十分だ。

一方、秋葉監督は第４節の栃木との北関東ダービーで０−３と大敗したチームを上手く修正した。栃木戦後の会見では「球際で後手を踏んだ。ファイトするところで負けてしまっては試合にならない」とコメント。前節・富山戦の前の練習では栃木戦の映像を見せ、「球際、１対１でボールがこぼれていたところ、ルーズボールへの反応などを指摘した」（同監督）。チームの闘争心を復活させたことが富山戦の勝利につながった。敵地・ヤマハでの一戦で、再び選手たちに自信を持たせることができるか。

キックオフは15時。4月最初の公式戦を勝利で飾るのはどちらか。

以上

2014.04.04 Reported by 南間健治