開幕5戦が終わって、両チームともに2勝1分2敗。好スタートを切ったとは言えない。とはいえ、5試合が無駄だったかと言うと、そんなことはない。試行錯誤を繰り返しながら飛躍への足場をしっかり固めた。そんな5試合だったのではないだろうか。
開幕戦で栃木に0対2で敗れるなど千葉は苦しいスタートとなったものの、そこからチームを立て直し、前節熊本戦では3対0の快勝をおさめた。「逃げることなくボールをつないで、自分たちのよさが出た場面が多かった」と試合後鈴木淳監督が語ったように、チームの目指すアグレッシブなサッカーが形になりつつあることを証明するゲームとなった。
一方、水戸は開幕2連勝を飾りながらも、その後2連敗。前節山形戦は水浸しのピッチコンディションの中、辛抱強く戦い抜いて勝点1を獲得した。3試合勝利のない状況だが、調子を落としているわけではない。むしろ上がっていると言えるだろう。2連勝した試合は開幕前にけが人が続出した影響により守備的な戦いを余儀なくされた。対して、2連敗はいずれもボールを支配しながらも守備的な相手を崩しきれずに喫したものであった。結果と内容が比例していないのがこれまでの水戸である。しかし、試合を重ねるたびに内容が向上していることは確か。自分たちのサッカーに自信を持ってこの一戦に挑むこととなる。
両チームともに内容の伴う勝利を手にして上昇気流に乗るきっかけにしたい一戦。勝負のカギはサイドの攻防にあるだろう。昨年の対戦は1勝1敗。ともにホームチームが2対0の勝利を挙げている。いずれのゲームも勝負を分けたものはサイド攻防であった。昨季第9節の対戦は「昨季のベストゲーム」と柱谷哲二監督が振り返るほど、水戸にとって会心のゲームであった。狙いとするサイド攻撃がうまくはまり、終始主導権を掌握。そして、サイドからのボールに対して三島康平が圧倒的な強さを見せてゴールに迫り、2得点を挙げる活躍で勝利をもたらした。
第27節の対戦では水戸が序盤からペースを握ったものの、18分に谷澤達也が左サイドを単独で突破して米倉恒貴(現G大阪)のゴールをお膳立て。その後も両サイドからの仕掛けからチャンスを作った。
両チームともに昨季から継続したチーム作りを行っており、サイド攻撃を重要視している。それだけに今季の対戦も昨季同様サイドの攻防がカギを握ることは間違いない。水戸は3バック、千葉は4バックと異なるシステムを採用している。「前へ向かう気持ちを持って、先手を取ることを意識したい」と鈴木雄斗が意気込むように、システムの優位性を生かしたチームが勝利に近づくことだろう。そして、昨季の対戦のキーマンとなった三島、谷澤も健在。彼らの特長を発揮することも今節の勝利の条件となりそうだ。
ただ、水戸の選手たちは今節に向けて並々ならぬ闘志を燃やしている。前回のホームゲーム岡山戦では再三チャンスを作りながらもゴールを奪えずに敗戦を喫してしまった。「見ている人にフラストレーションを与える試合をしてしまった。もう同じ思いをさせたくない」と本間幸司は気合いを入れている。さらに前節山形戦では激しい雨が降り続ける中、多くのサポーターが山形まで駆けつけて最後まで大きな声援を送り続けた。その熱い思いが選手たちに届き、大きな力になっているようだ。「彼らと一緒に戦っているという思いをさらに強くした」と本間が言えば、三島は「勝利をプレゼントしたいという気持ちがさらに強くなった」と力のこもった口調で話した。サポーターの熱を受けて、高まり続けるホームへの思い。それを今節プレーで体現してくれるはずだ。
以上
2014.04.04 Reported by 佐藤拓也
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