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【toto情報】コラム:「アジアのレベル」という免罪符で納得させてはいけない事件(14.04.04)

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ACLというアジアのクラブ最強決定戦の中で、残念な試合がありました。FCソウル対広島の一戦です。広島が1点をリードして迎えた試合終盤。ごく普通のゴール前の風景だと思われる場面で広島がPKを宣告され、結果的に広島はこの試合を引き分けてしまいました。

審判には審判なりの考えがあることは理解していますが、それにしてもアジア最強チームを決める大会でああした笛が吹かれてしまうというのは、プレーする選手たちはもちろん、大会そのものの価値を落とすことにつながります。そういう部分で非常に残念に思う判定でした。

その一方で日本人の審判員は世界的に見ても高い評価を受けつつあり、ワールドカップレベルの大会でも良いカードを笛を吹いています。例えば前回の南アフリカ大会では西村雄一さん率いる審判団がオランダとブラジルが対戦した準々決勝を担当するなどの活躍を見せました。

そんな西村さんをはじめとした日本の審判団は、“極端”な笛を吹くことはなく、それがJリーグの競技レベルを一定の水準に保っているように思います。それはおそらくは生真面目にルールを守る日本人の国民性のなせる業でもあるのだと思いますが、彼ら審判員は常日頃、研修などの自己研鑚を欠かしておらず、高い水準のレベルを維持すべく日々、努力しています。今回広島が被ったおかしな判定を見て、そうした審判の育成システムをそのまま中東や東南アジア諸国に輸出すること。それがムリなら、審判員の受け入れも検討してみる必要があるのではないかと考えました。

クラブレベルでは、Jリーグのサポートもあり広報戦略も念頭に置いた東南アジアからの実力ある選手の獲得が進みつつあります。それら、有力選手の獲得が可能なのであれば、同時に東南アジアや中東の審判員をJリーグに受け入れ、彼らに活動と勉強の場を提供するということも今後考える必要があるのかもしれないと思います。

昨シーズン末からBIGの対象試合として、欧州リーグが含まれるようになりました。対象が広がることで、そのリーグに対する興味も膨らみます。その文脈で考えれば、興味を持ってもらうという意味で近い将来、ACLがtotoの対象になることも不思議ではありません。もしそうなった時に審判の質が問われる試合が1試合でも発生するとtotoが批判の対象となりかねません。広く日本のスポーツ文化の浸透に役立てられているtotoが、偏見の目で見られる可能性があるのなら、そうしたリスクをなるべく消さなければなりません。そう考えると、アジアレベルで審判の質の向上は差し迫った問題なのだと思います。

いずれにしても、今回広島を襲った問題について、広島にだけ任せるのではなく、ぼくらサッカーに携わる人間は、サッカーファミリーの一員として、やれる範囲で広くこの問題に取り組む必要があるのではないかと思います。

以上

2014.04.04 Reported by 江藤高志(川崎F担当)

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