前半は新潟、後半は名古屋と流れがはっきりと分かれた一戦は、3-3で勝点1を分け合った。
新潟は17分、金珍洙が先制点。29分にはコーナーキックの流れから田中達也が追加点を挙げた。後半に入ると名古屋が猛攻を仕掛ける。49分にコーナーキックから田中マルクス闘莉王が決めて追い上げ、51分には矢田旭が同点ゴール。60分、矢田のクロスから小川佳純が決めて逆転に成功した。勝負ありと思われた89分、新潟は小泉慶のプロ初ゴールで追い付いた。
ホームのサポーターにこの日一番の歓声を挙げさせたのは、18歳のルーキーだった。アディショナルタイムに入る直前の89分。中央からの加藤大の浮き球パスに合わせて、相手守備の裏を取る。そのまま左足でゴールマウスにたたき込んだ。
「試合中、『ゴール』、『ゴール』と口ずさんでいた」。この試合がヤマザキナビスコカップ予選前節の徳島戦に続くプロ入り2試合目のスタメン。リーグ戦前節のC大阪戦ではリーグ戦初出場を果たしていた。そしてこの名古屋戦は初のホーム戦出場。「出るからにはゴールを決めたい」という意欲は形になった。「ビッグスワンでプレーして得点を決められなかったら、自分は『持っていない』ということ」。ホーム戦初出場でプロ入り初ゴール。試合後には初のドーピング検査も経験。初ものづくしで結果を出し、『持っている男』を証明してみせた。
新潟の柳下正明監督は「小泉は、プレーそのものは本来のものではないように見えた」としながらも、「最後の最後にゴール前に走れるというのは、メンタルもフィジカルも強い」と評価した。ゴール前で裏を狙う形から得点したことも「今シーズン、選手によく言っていること。それを出した」。チームの目指すものをルーキーが実戦で表現した。
もっとも、試合は前半で2点リードしながら一時は逆転を許したもの。「後半、油断があった。集中していない選手がいた」(柳下監督)と、隙をみせてしまった。小泉も「勝利に貢献できなかったのは残念」とゴールを素直に喜べる内容ではなかった。それも次へのモチベーションになる。「今度はリーグ戦でビッグスワンのピッチに立ちたい」。次にホームに登場するとき、今回以上の歓喜の瞬間を演じる雰囲気を漂わせた。
名古屋は後半、主導権を握った。「テンポが上がってダイレクトプレーが増えた」と西野朗監督が言うように、早いテンポで相手守備の裏を狙った。後半の立ち上がり、コーナーキックから闘莉王が左足でたたき込んだのを皮切りに、一気に畳みかける。矢田にとって同点弾は公式戦初得点。「イメージしていた通りに打てた」。田口泰士のパスを正面で受けると、左足でゲット。その9分後には右サイドを突破して、小川の逆転ゴールを演出した。
不運だったのは、78分に小川がこの試合2度目の警告で退場したこと。1人少ない状況になりながらも集中した守備を見せていたが、最後に力尽きて追い付かれた。
ただ、好材料は多かった。矢田をはじめ、望月嶺臣、途中出場の小屋松知哉ら若手が自分たちから仕掛けていくプレーを見せたこと。特に小屋松が入ったことで前線に起点ができ、中盤が押し上げる形ができた。「自分たちでスイッチを入れて攻撃できた」と西野監督。自らアクションを起こす意識は高まってきた。
激闘の末のドローは、勝点1とともに、どちらもプラス材料を得た一戦だった。
以上
2014.04.03 Reported by 斎藤慎一郎(ニューズ・ライン)
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