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一覧へ【ヤマザキナビスコカップ 浦和 vs 大宮】レポート:すべてお膳立てされていたかのような劇的な展開。さいたまダービーは浦和に軍配(14.04.03)
4月2日(水) 2014 ヤマザキナビスコカップ
浦和 2 - 1 大宮 (19:31/埼玉/20,697人)
得点者:16' 李忠成(浦和)、30' 橋本晃司(大宮)、87' 青木拓矢(浦和)
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☆Jリーグ公式サイトヤマザキナビスコカップ特集
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これが物語の世界なら、あまりにベタすぎると批判されてもおかしくない。古巣とのダービーマッチで移籍後初のベンチ入りを果たすと、そのままデビューも飾って、決勝点まで決めてしまう。青木拓矢は、いまどき漫画でもなかなか見かけないような話の主人公になった。
シーズン前に負傷して出遅れた青木は練習にこそ復帰していたものの、今週も別調整を命じられる日もあったほど実戦復帰にはまだ遠いと思われるような状態だった。先月31日の練習後には本人も「体は大丈夫だけど練習試合もやってないし、相談しながら」と話すくらいだった。さいたまダービーでベンチ入りするだけでもちょっとしたニュースだったが、78分に浦和でのデビューを済ませると、その9分後には笑顔を爆発させていた。
本来なら“生まれるはずのない”ゴールだった。浦和のボランチは、戦術的にDFラインかアンカーの位置でビルドアップを担うため、最前線まで顔を出すプレーは基本的に求められていない。青木もそれは理解している。だが、あの時はなぜかそこにいた。本人も「なんとなくです」と笑うしかない。シュートの意識すら持たずにプレーしていたはずなのに、あの時だけ何かに突き動かされたかのようにゴール前に飛び出していた。
「青木が復帰して出て、点を取られて負けたら嫌だよね」。試合前、古巣の大宮にはそう話していた選手もいたそうだが、そんな冗談みたいな話が現実となった。すべてが青木のために用意されていた。そうとしか思えないほどの劇的な幕切れだった。
一方、大宮にとっては気の重くなるような敗戦になっただろう。浦和の戦い方に合わせ、普段やっていない5−4−1のフォーメーションで挑んだが、攻守に渡って機能したとは言いがたい内容だった
慣れないシステムで守備的に戦ったものの、浦和に何度もチャンスを作られていた。「もう少し主導権を持った守備、こちらが仕掛けて相手から奪えればもっと攻撃にスムーズにつなげられたかなと思う」と橋本晃司が振り返ったように、受け身になることが多く、守備から攻撃という流れを作れなかった。
カウンターに活路を見出したかったはずだが、特に前半は防戦一方となり、シュート数はわずか1本。カウンター合戦となった後半でも浦和の10本に対し、その半分以下の4本にとどまり、決定的なシュートはほとんどなかった。
チャンスメークを期待された家長昭博は「長谷川(悠)選手が孤立してしまったので、彼には申し訳なかった。彼にボールが当たった時にサポートにいかなければいけなかったけど、相手にボールを持たれて、動かされる感じだったので、全部後手後手になった」と何もできなかったと唇を噛んだ。
今回のさいたまダービーは浦和にとって無観客試合後の最初のホームゲームであり、再出発を誓う節目の試合だった。その大事な一戦を「2-1の試合じゃなくて、5-1とかの試合だった」と李忠成が胸を張ったような充実の内容で終え、サポーターたちと喜びを分かち合うことができた。浦和はここからまた新たな歴史を紡いでいく
以上
2014.04.03 Reported by 神谷正明
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