仙台は、とにかく勝利が欲しい。飢えている。渇望している。公式戦未勝利で3月を終えてしまった状態を引きずるわけにはいかない。グラハム アーノルド監督は現実と向き合いながらも、「4月を楽しみにしています」とこれまで積み上げてきたものを今月に花開かせようとする姿勢を見せている。
「ヤマザキナビスコカップとリーグ戦はまた別の大会」と指揮官はこの大会が始まった頃から言ってきた。今回のF東京戦で起用するメンバーについても、週末のJ1第6節を考慮してある程度入れ替える構えだ。しかし「大事なのは、私も選手も、すべてのゲームに勝ちたいと思っていること。勝つためのパフォーマンスをすることに、変わりはありません」(アーノルド監督)と、あくまでもテストよりも勝利を目指す。今季初勝利を手にすることで、チームに自信と勢いをつければ、それらはリーグ戦にも繋がる。今の仙台にとっては勝利こそが薬なのだ。
今回の相手・F東京は既にヤマザキナビスコカップでの勝利を、J1第5節の勝利に繋げている。マッシモ フィッカデンティ新監督を迎えて新しいスタイルを構築している最中のF東京は、当初はなかなか勝点3を獲得できず苦しんでいた。だが、ヤマザキナビスコカップ予選リーグ第1節でチャンスを得たメンバーが奮起して鹿島に3−1で勝利。その直後のJ1第4節では川崎Fに0−4で大敗してしまったが、その苦い経験も糧にして、続くJ1第5節・清水戦で今季リーグ戦初勝利を果たした。鹿島戦でチャンスを得た河野広貴は川崎F戦では悔しい思いをしたが、第5節・清水戦では攻撃を引っ張り、自らのゴールでチームを勢いづけた。この切れ味鋭いドリブラー河野に象徴されるように、好パスを配球する野澤英之、サイドの突貫能力が高い武藤嘉紀のような生きのいい選手たちが、今のF東京にエネルギーを与えている。フィッカデンティ監督が水曜日の試合に勢いを引き継ぐために若きアタッカー達を使うか、それとも清水戦でベンチスタートとなった経験の高い選手を使うのかはわからない。だが誰が出るにしても、中盤と最終ラインで作ったブロックで相手の攻撃を食い止め、アタッカーの推進力に攻撃を託すかたちは確立されつつある。F東京にしてみれば今季初の公式戦無失点を達成し、確実に勝利を狙いたいところだ。
迎え撃つ仙台は攻守に課題を抱えているが、特に3月の総得点が公式戦6試合でわずか2という攻撃面が深刻だ。J1第5節・甲府戦で今季初めて先制点を取ることができたが、追いつかれてしまった。守備の整備は進んでいるだけに、攻撃態勢に切り替わった時に前に人数を掛けられるようなバランスとポジショニングを見出したいところだ。
「1点目を取ることも大事だし、それで流れをつかんでゴールを重ねたい」とウイルソンが言うように、仙台のほうは今季初の複数得点を狙いたい。そのためには「サイドからクロスを上げる場合でも、中でのコンビネーションで崩す場合でも、供給されるボールの“意図”を冷静に理解すればチャンスで決めることができる」(アーノルド監督)ということを、ピッチ上の選手が実践しなければならない。
ユアテックスタジアム仙台に集う仙台サポーターは、4月2日も勝利を信じる。3月30日には仙台レディースが同所で今季ホーム初勝利をあげた。自信をつけるための1勝を手にするために、仙台はF東京を上回る勢いで、攻撃を押し進めたい。
以上
2014.04.01 Reported by 板垣晴朗
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