降りしきる雨の中、我慢強く勝機を待ち続けた群馬が少ないチャンスを確実に活かして2−0で富山を沈めた。前節敗戦のショックを払拭し、連敗を阻止する価値ある勝利。開幕5戦を3勝2敗で乗り切った群馬は、12位から大幅に順位を上げて5位へとランクアップした。
エデルの負傷離脱の影響は少なからずあった。群馬はエデルの代役として2年目の野崎桂太を抜擢、平繁龍一と2トップを組ませた。野崎と平繁の動き自体は悪くなかった。だが富山の素早いスライドの影響などでチーム全体のビルドアップがままならず、結果的にタメを作ることができず攻撃が停滞。前半はボールを前に運べない状態が続いた。
だが苦しみながらもボールを動かし続けたことで富山のプレスが緩み始めてくことになる。後半、少しずつリズムを築き始めていった群馬は、サイドを起点に富山ゴールへと迫る。そして70分過ぎ、サイド攻撃から得た右CKが幸運を導いてくれた。ファーサイドで秋本倫孝と競り合ったクォンハンジンが倒されたとしてPKを獲得。群馬が千載一遇のチャンスを迎える。
意地のPKだった。平繁のPKは一度、ゴールへ突き刺さったが群馬の選手がキックより先にペナルティアークに進入したとして蹴り直しのジャッジが下される。GK水谷雄一は「同じところへ蹴ってこい」と平繁を挑発。不穏な空気が流れる中での2度目のPKとなったが群馬のエースは屈しなかった。一本目と同じキックモーションで同じ場所へと蹴り込み、仁王立ち。強靭なメンタルが生んだ先制点だった。
追加点は初先発の青木孝太だった。昨オフ、再契約で群馬に残ったものの今季4試合は途中出場、先発の機会を与えられなかった。青木孝は26日のテストマッチで2発をぶち込み先発入りを猛アピール、今ゲームのスタメンに名を連ねた。前半から執念のプレーをみせていた青木孝は80分、瀬川和樹の左クロスをヘッドでねじ込んで今季初ゴール。指揮官の期待に結果で応えてみせた。青木孝の追加点で2点リードとした群馬は、富山の反撃をいなして完封勝利。今季ホーム2戦2勝とした。
今季初勝利を狙って群馬へ乗り込んできた富山は、黒星の土産を手に帰途につくことになった。パワフルなドリブルをみせた中島翔哉を軸として攻撃を組み立てたが、群馬のバイタルを最後まで突破することができずに4連敗となった。苔口卓也、白崎凌平、中島らタレントは揃っているが前線の3人だけで攻撃を繰り出すシーンが多く、周囲との連係が今後の課題だ。「消極的になっては何も生まれないので根気強く戦っていく」(安間監督)。富山の初勝利は4月に持ち越しとなった。
群馬は、エデルの長期離脱というアクシデント直後の重要なゲームで勝利を収めた。野崎や青木孝ら熾烈な先発争いを勝ち抜いてピッチに立った選手が結果を導き出したことは大きな収穫だ。選手層は決して厚くないものの、今季はチームのために戦える選手が揃っている。3月5戦を3勝2敗で乗り切り5位に浮上した群馬だが、慢心はない。「選手は日々たくましくなっているが、これで歩みを止めるわけにはいかない」(秋葉監督)。明日からはまた、次節磐田戦(4/5@ヤマハ)へ向けた先発争いが始まる。
以上
2014.03.31 Reported by 伊藤寿学
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