富山で掴んだ嬉しい白星、もたらす勢いそのままに西京極での第5節。手強い相手は札幌。今度こそ、聖地の今季初勝利!
前節の富山戦。見事な逆転勝利を見せた京都。得点になったから良いプレーなのか、良いプレーだから得点につながったのか。富山からもぎ取ったゴールは共に素晴らしいものだった。リードされての後半25分、大黒将志がPKで京都移籍後初ゴール。注目すべきはそのPKを獲得した駒井善成のプレー。スペースに流れてボールを受け、ターンで一人目をかわしエリアに侵入、もう一人に倒され笛が鳴る。富山の堅い守備にスペースを見つけた判断とそこに入り込んだ迷いない決断。そこで勝負はほぼ決したのではないか。
そして2点目はセットプレーからバヤリッツァ。「富山はセットプレーにナーバスになっていたところもあったと思う」とは工藤浩平。直接狙える位置で、キッカー・山瀬功治から左の工藤へ。次に右裏の駒井へ。相手の中途半端なクリアを山瀬が今度は左へ、そこにいたのがバヤリッツアだった。しかも、中央には大黒もいて、彼もノーマーク。
何が言いたいか。富山DF陣が完全に足が止まっていたということ。富山が京都戦で足が止まるシーンを、筆者は初めて観た様な気がする。富山と言えば、最後の最後まで粘る、ゴールの中に入ってでもボールをかき出す。京都戦ではそんな闘志に溢れる守備陣がその瞬間、ボールを眼で追うことしか出来なかった。
京都の、今季やろうとしているサッカーが出たと言っていいだろう。二つのゴールは素晴らしいと思わせてくれた。今節も大いに期待が高まる。
対戦相手は札幌。前節、北九州に3-0と快勝。内村圭宏が2得点、そして砂川誠の2アシスト。裏を狙う前線とそこへパスを送る中盤。解り易いが破壊力のある攻撃を繰り出してくる。砂川とマッチアップする石櫃洋祐もその辺りは理解しており「前線に足の速い選手がいて、中盤にはいいパサーがいる。マークのところで厳しくいきたい」と意気込んだ。
守備も重要だが、バドゥ監督は「対戦相手よりもまず自分たちのプレーが出来ること」と口にした。そしてそれは「攻撃的なサッカーであり、先に仕掛けるサッカー」であると。
京都がやろうとしている「サイドを広く使ったサッカー」はサイド攻撃に主眼を置いている訳ではなく、どちらかと言えば「相手を動かしたい」意図がある、とみている。
「相手を動かす」ことでスペースを作りだす。スペース感覚の練磨である。富山戦の駒井のスペースに走り込んだ動きを称賛する理由がこれだ。両サイドを広く保ち、相手を動かす。そして相手がボールに喰らい付けば隙が生まれる。
栃木戦の前半40分過ぎ、左サイドで山瀬が飛び出してシュートまで持ち込んだシーンがあった。山瀬が飛び出したのはスペースがあったからだが、その背景に、スペースを作ったプレーもあった。左にいた山瀬よりさらに左に駒井がいた。山瀬が外の駒井に送ると相手は駒井に食い付く、それだけ。でも、山瀬の前にスペースができた。だから山瀬は一気に相手陣内に突っ込んでいける。
断片的にはこうしたプレーは随所にある。だが要求したいのはチーム全体でのオーガナイズだ。サイドを広く使う意味、相手を動かす効用、そして攻撃地点の選択―。右サイドから左サイド、左から右とボールを動かし相手が動いたなら、次の判断は「どこから攻める?」だ。スペースは右サイドか、左サイドか、それとも中央か―。
今、京都の攻撃がのんびり観えるのなら、この「ボールの動かし」で判断が遅い点、そして、「ボールの移動で生まれた相手の隙を突いていく」という、弓を放つ動作が遅いからだと思っている。目指す方向とその輪郭は明確なのだから、後は選手たちの挑戦と鍛錬だろう。山瀬は「アグレッシブにいきたい」と試合の意気込みを語っていた。アグレッシブにポジティブに、トライして結果を出す。その躍動と集中した姿を是非見せて欲しい。
バドゥ監督は、今週の練習後の囲み取材の最後に「今度はここまでで最高の試合をお見せできますよ」と親指を突き出し記者達に話しかけた。常に自信を持ち続ける姿勢は、やはり期待を抱かせてくれる。サポーターの皆さんも、是非、そんなバドゥ監督の自信の詰まった、そして選手たちが前向きに頑張る京都のサッカーを観に、スタジアムへ是非どうぞ!
以上
2014.03.29 Reported by 武田賢宗
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