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【COPA COCA-COLA JAPAN2013優勝決定戦レポート】中学から高校サッカーへの巣立ちを祝う一戦。COPA COCA-COLA JAPAN2013初代王者はIRIS生野フレンズ(14.03.30)

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PK戦を制して優勝した西日本地区代表の「IRIS生野フレンズ」

2013年12月に東西各地の予選から始まった『COPA COCA-COLA JAPAN2013』の優勝決定戦が、J1第5節「横浜F・マリノスvs鹿島アントラーズ」が行われる日産スタジアムで実現! 
この大会は世界37カ国で行われていて、日本での開催は今回が初となる。各国でエントリー方式は異なるが、日本の場合は「健康で、ルールを遵守でき、かつ保護者の同意のある」中学生であれば、どんな形のチームでも参加できる。単独の中学あるいはクラブチームはもちろん、サッカーが好きな仲間がこの大会に参加するために結成して臨んでも構わない。実際、同じ中学の吹奏楽部だったり、女子生徒だけ集まって予選に参加したチームもあった。
 
東日本、西日本ともに32チーム参加の予選を勝ち抜いて、代表権を獲得した2チームは「SCH.FC(東日本地区代表)」と「IRIS(イーリス)生野フレンズ(西日本地区代表)」。
日産スタジアムの地元・横浜市のSCH.FCは小・中一貫のクラブチーム。エントリー15選手はすべて中学3年生。新年度から高校生となるため、この大会が中学最後の試合となる。キャプテン・工藤泰平選手は「公立高校受験の仲間は参加できないけど、僕らはこの時期までサッカーができることに感謝して臨みました。スタンドで応援してくれる仲間のためにも優勝します!」と語った。一方のIRIS生野フレンズは大阪のクラブチームが母体。主力の10人はIRIS生野所属だが、5人は大阪市内の他クラブ所属。トレセンで友達となったが、高校では県外各地に進学する選手も多いため、「最高の思い出作り」として臨んだ。
 
ウォーミングアップも終わって、いよいよ選手入場。Jリーグの試合でおなじみの「FIFAアンセム」の入場曲に迎えられ、両チームの選手がピッチに入る。集合写真の撮影もJリーグ同様。気合いを入れて、選手たちがピッチに散る。さらに、雰囲気を高めるのが、特設ブースにおけるスタジアムDJによる生実況、北澤豪・名波浩両氏による生解説だ。選手のプレーを称える解説がスピーカーを通じて、場内に響き渡った。

試合は開始早々からヒートアップ。SCH・工藤選手がDFながら、痛烈なロングシュートを見舞えば、生野フレンズ・江川天公選手もポストを直撃するシュートを放った。そして4分、早くも試合が動く。その江川選手のゴールにより、生野フレンズが先制する。試合前、「僕がチームの大黒柱なんです!」と自信たっぷりに語った大物が、口だけではないことを証明してくれた。
しかし、SCHも3分後には追いつく。FW中野大飛選手が放ったトラップからのシュートがゴール右スミに突き刺さった。さらにその2分後にも、中野選手が味方のスルーから華麗な逆転ゴールを決めた。その後、14分に生野フレンズ・江川選手がキャプテン山本我久選手の折り返しを流し込み同点とする、決勝にふさわしい白熱の展開に。
 
インターバルなしで後半へ。この大会の特別ルールは、15分ハーフ(予選は10分)で交代は無制限(退いた選手も戻ることができる)。
後半早々、生野フレンズは2得点の江川選手と山本キャプテンがピッチを去る。しかし、ここで下げられた江川選手の悔しさが後に実を結ぶことになる。
SCHは後半3分、中野選手のCKから工藤キャプテンがゴールして、再びリードを奪う。そして、その1分後、特別ルールで生野フレンズ・江川選手がピッチに復帰。迎えた終了間際の14分、江川選手のアシストにより、生野フレンズが土壇場で試合を振り出しに戻した。
前後半30分で決着がつかず、勝負はPK戦での決着へ。PK戦を3−1で制した生野フレンズが初代チャンピオンに輝いた。
 
試合後のヒーローインタビューには、両チームから1人ずつ選ばれた。生野フレンズは江川選手、SCHは中野選手。ともに2ゴール1アシストで全得点に絡んだ。北澤・名波両氏によるインタビューには2人とも緊張感が高まる。最後に中学卒業後の進路を聞かれると、両選手とも「高校サッカーです!」と答えた。とりわけ、「鹿島学園に行きます」と答えた中野選手には、鹿島サポーターから盛大な拍手が贈られていた。
 
プロも顔負けの熱戦を展開し、盛況のうちに幕を閉じたCOPA COCA-COLA JAPAN2013。15分ハーフという短い時間のなかで緊迫した攻守の切り換え、勝負強さを発揮して勝ち上がった両者が中学ラストゲームで成長の証を見せてくれた。
「15分という短い時間では、先制点の重みを感じます」とSCH・工藤キャプテン。残り数分で決勝点を挙げて勝ってきたゲームも多かったという。だが、この短い時間制ゆえサッカー経験の少ない人でもエントリーできるという点も、多くの中学生の共感を得たことは確かだろう。大会のテーマ「AHL」(Active、Healthy、Living=活動的、健康的な生活習慣)を多くの中学生に理解してもらい、試合中の水分補給などが実践されたことも大きな意味を持つ。
最後に、大会特別表彰の「AHL賞」についても触れたい。優勝決定戦でもっとも長い走行距離を記録した選手、SCHのDF山下大貴選手に贈られたのだが、「チームのために、いかによく走ったか」という貢献度が表彰に反映されている、非常に意義のある賞だった。

以上
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