前節の水戸戦で今季初勝利を掴んだ岡山。引いた状態で徹底的に守備を固め、後半に入って攻撃のリズムを作り出した。守備という岡山の原点を取り戻すために必要だったゲーム。その試合後のコメントで影山雅永監督は、「ただ、今日に関しては、私も選手たちも不本意な戦い方。もっと自分たちの戦いをしたい。そこには時間がかかるかもしれないけど、ちょっとずつ質を上げて、もっと選手たちが躍動できる集団にしていきたい」と話した。
しかし「不本意な戦い」をチーム全員で完遂する姿には「熱」があった。信念のないチームには、「不本意な戦い」を選択することも完遂することも出来ない。影山監督は今週の練習場で、「本当はもっと自分たちでボールを取りたいし、動かして相手を揺さぶりたい。でもこのあいだは『一試合通して我慢しろ』という指示を試合前に出していたわけだから」と明かした。これに対し、前線で献身的なプレーを続ける押谷祐樹は、「影さんが決めたからにはやろうと思いました。前から行かずに一回引いて、焦れずに守備をする、という意味の我慢はすごくありましたが、実際に勝ちという結果がついてきてくれましたし、それが一番よかったです」と話す。
「結果が先か、内容が先かはわかりませんが、戦いながら自信をつけていきたい。水戸戦はゴルフでいうリカバリーショットが勝点に繋がりましたが、そう上手くいく試合ばかりではない。簡単に勝てる相手はいないし、ぎりぎりの戦いが続く中で、自信満々でプレーできる時間、試合を徐々に増やしていくしかない」。これが5年目の指揮官の胸の内だ。
第5節、ホーム・カンスタに迎える大分とは2年ぶりの対戦となる。大分はJ1での昨年とはメンバーも大きく入れ替え、昨季7得点の森島康仁が抜けた穴を埋めるのは、田中輝希、後藤優介と、前節が初スタメンとなった大卒ルーキーの伊佐耕平ら、いずれも90年代生まれのプレーヤーだ。前節・熊本戦で後半41分に同点ゴールを挙げた後藤は、スピードがあり、ディフェンダー背後への抜け出しが秀逸。Uー21日本代表(リオデジャネイロオリンピック2016)日本代表候補に初選出され、今週行われたU―19日本代表候補とのトレーニングマッチでもゴールを決めている。
そのフォーメーションは【4−2−3−1】で、鳥栖から期限付き移籍で加入した末吉隼也と、千葉から完全移籍を果たした伊藤大介がダブルボランチを組んでいる。「ボランチに今年の大分がいちばん表れているんじゃないかな」と影山監督。今季の大分は、戦い方、組織がきっちりとした手堅い印象だという。大分のこれまでの4得点のうち2得点が、ボランチの両選手の得点だ。
岡山は今週、大宮から上田康太が期限付き移籍で加入したことを発表。判断ミスがなく、大宮でも一番という正確なキックを持つ上田だが、【3−4−3】のプレー経験はないため、今週の出番は未定だ。前節、今季初ゴールを決めた岡山の久保裕一が、「水戸戦は0で押さえられたからこそ勝てたと思う」と話すとおり、岡山の課題は常に無失点で押さえることだ。堅実な両チームはぶつかり合いの中から、いつ、どのような勝負を仕掛けるのか。ジリジリとした緊張感の中に、火花の飛び散る試合となりそうだ。
以上
2014.03.29 Reported by 尾原千明
J’s GOALニュース
一覧へ【J2:第5節 岡山 vs 大分】プレビュー:岡山と大分。堅実な2つのチームはぶつかり合いの中から、いつ、どのような勝負を仕掛けるか。その瞬間が見逃せない。(14.03.30)
- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- 2024J2昇格プレーオフ
- J3・JFL入れ替え戦
- bluelock2024
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off