ホームでの2試合目、新米ライターは落ち着かずキックオフ直後、手元の資料が気になって下を向いていた。大歓声に顔を上げると春の陽射しを浴びた緑のピッチで松本のFW岩上祐三が右足を振りぬき、讃岐GK森田耕一郎が左に飛んで、白いゴールネットが揺れていた。讃岐ボールのキックオフだったはず・・・・。シュートを決めた岩上が両手を挙げて飛び跳ねる。松本サポーター800人が陣取るアウェイスタンドはハイタッチでお祭り騒ぎだ。試合終了後のインタビューで「シュートはゴールを見ずに打った」といったように淀みや迷いのない完璧なシュートだった。岩上にボールをカットされた讃岐DF野口遼太、どうした。余裕が無かったのか・・・・。
讃岐の2失点目は、松本DF多々良敦斗がカマタマーレの右サイド深くに送ったロングボールを松本FW船山貴之に競り負けた讃岐DF西野泰正のファウルで与えたフリーキックから。キッカーは岩上、速くて鋭く曲がるボールがGK森田の前、ニアにワンバウンドで入る。松本FW塩沢勝吾と讃岐DF岡村和哉が競って森田がはじいたボールはディフェンスに入っていた讃岐の選手に当たってオウンゴールとなった。開始10分で2失点、J1を目指すチームの勢いに圧倒された感じだ。試合の主導権は完全に松本へ。
それでもホームで負けられない讃岐は3バックを4バックに変更、DF岡村を前線に上げて攻める。前半40分、ボールは左サイドのアンドレアからゴール前ファーサイドでフリーの高橋へ。この決定機が決まっていれば少しは流れを引き戻せたかもしれない。その直後、速攻から決定的な3点目を松本に決められてしまって前半は0−3で終了。
北野監督のハーフタイムコメントは「まず1点を取り返そう」後半、讃岐の選手は攻める姿勢を見せて松本ゴールに迫る。開始早々、岡村のシュートがポストを直撃した場面と高橋が見せたヘディングシュートや途中出場の讃岐MF高木和正からもらったボールをダイレクトにヘッドで折り返してゴ−ル前の我那覇へ送ったシーンが会場を沸かせた。試合は67分に讃岐MF山本翔平がこの日2枚目のイエローカードで退場、讃岐は10人になって万事休す。その後追加点を奪われ、0−5で松本の圧勝となった。この試合、讃岐が打たれたシュートは17本。反応したGK森田の動きの良さがせめてもの救いか・・・・。松本はこれで勝点10、チームスローガンの「ONE SOUL〜走力×創力×総力〜」を体現するプレーは力強く、次節開幕4連勝の湘南と対戦する“アルウィン”での首位決戦が非常に楽しみだ。
この日、丸亀競技場に集まった観客は2,916人。高橋選手のコメントにもあるように「この試合については何を言ってもやり直しは出来ない」この経験を次節に生かすだけだ。4年前、地域リーグを戦っていたカマタマーレ讃岐はグラウンドの片隅で着替えをして、僅かな観客の前で夢中でボールを追いかけていた。まだリーグ戦は始まったばかり、Jリーグのピッチに立つ喜びを感じて、楽しみながら思いっきりプレーして欲しい。
以上
2014.03.23 Reported by 大森一(オフィスひやあつ)
J’s GOALニュース
一覧へ- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- 2024J2昇格プレーオフ
- J3・JFL入れ替え戦
- bluelock2024
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off