「早起きは三文の徳」と言うが、この試合はそのことわざをそのまま当てはめたような試合だった。
何を伝えたいのかと言えば、90分間の中で長崎も千葉も互いに持ち味を出すことができたが、最終的に勝点3をゲットしたのは、試合開始から自分達のプレーができた長崎だったという事。千葉は後半、ボランチの位置に兵働昭弘を投入し、後ろの選手も次々に前へ出ることでパスコースが増え、攻撃が活性化。本来の千葉が持つ高いポテンシャルを遺憾なく発揮した。後半は試合の主導権を握ったものの、残された時間が45分では足りなかった。
前節、貴重な勝点「1」を得た両チームにとって、この試合は掴みかけつつある「勝負強さ」や「自信」といった形のないものを、シーズン序盤のうちに手中に収めるために重要なものだった。
そうでなくともJ1昇格を視野に入れるチーム同士。立ち上がりから激しい試合展開も予想された。しかし、早くも湘南や松本と対戦した長崎からしてみれば拍子抜けするような千葉の立ち上がりだったに違いない。
前半から試合の流れを追っていきたい。長崎は立ち上がりから積極的にプレスをかけ、奪ったボールをボランチの三原雅俊や黒木聖仁が効果的なパスを出してリズムを掴む。加えてほとんどプレッシャーのない中盤で奥埜博亮が前を向いてプレー。『長崎のマエストロ』として攻撃のタクトを振るうと24分には東浩史とのワンツーから東がシュート。そのこぼれ球に野田紘史が詰めて先制点を挙げる。続く38分には野田がGKとDFの間に絶妙のボールを入れ、GKが触るより前に奥埜が頭に当て追加点。流れは完全に長崎になるかと思われた。
しかし千葉は前半終了間際、山口智が混戦の中からボールを押し込み、何とか前半のうちに1点を返して反撃の狼煙を上げる。後半からボランチに攻撃的MFの兵働昭弘を投入すると、千葉はボールを奪えるようになる。人数をかけた中盤で長崎を圧倒し、一気に形勢逆転。前線の山中亮輔や町田也真人へいい形でボールが入り、本来持つ「個」の力を発揮できるようになってチャンスの山を築いた。ただし、長崎はDFの下田光平を投入。山口貴弘らと共に飛んでくるクロスにブロックを敷いて守りきった。前半は長崎。後半は千葉のゲームとなったが、早起きした長崎に軍配が上がった。
結果、長崎は勝点を7に伸ばし、9位へ浮上するも、千葉は18位へと急降下。序盤戦ゆえ順位など気にする必要はないが、千葉の後半の試合運びはJ1クラス。それだけに、何とももったいない試合だった。こんな位置にいてはいけないチーム。目覚ましは早めの時間にセットして次節の熊本戦(3/30@フクアリ)を迎えてほしい。
以上
2014.03.23 Reported by 植木修平
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