壮絶な撃ち合いの末に、勝点1を分け合うことになった。
両者とも前節とメンバーを入れ替えてこの試合に臨んだ。ホーム・磐田は伊野波雅彦、宮崎智彦を負傷で欠く布陣。フォーメーションは[4-3-2-1]のままに、藤田義明をセンターバックへスライドさせ、左サイドバックには加入後初スタメンとなる森下俊を起用した。ボランチには今季初スタメンとなる山本康裕を置き、山田大記はベンチスタートとなった。
対するアウェイ・福岡も前節からメンバーを変更。布陣は[4-3-3]のままに、三島勇太を前線へスライドさせ、右サイドバックには今季初スタメンとなるオ チャンヒョンを先発起用。2列目に加入後初スタメンとなる武田英二郎、GKは同じく加入後初先発となる清水圭介を起用した。
試合後、「立ち上がり20分は“大惨事”のサッカーになってしまった」と振り返ったのは福岡・マリヤン プシュニク監督。ゲームは磐田ペースで始まった。先制ゴールは試合開始直後に生まれた。5分、敵陣右サイドの駒野友一のクロスに反応したのは山崎亮平。「コマさん(駒野友一)がいいボールをくれた」(同選手)。高めに設定されていた福岡のDFラインの背後を上手く突き、ヘディングで確実に押し込んだ。さらに19分には前田遼一が自ら獲得したPKを決め、2-0。
序盤で磐田が2点をリードし、一方的なゲームになるかに思われた。だが、ここから流れが変わった。「立ち上がりはみんなが守りの意識を持ち過ぎたかなとは思う」と語るのは武田英二郎。「リードされていたし、失うものがないと言ったら大げさですけど、城後さんとも話をして前から行こうと決めた」(同選手)。メンタル的にふっきれたことに加え、前半のうちに1点返せたことがよかった。30分、武田のCKをイ グァンソンが打点の高いヘディングで押し込み、1点差で前半を折り返した。
迎えた後半。プシュニク監督が先に動いた。ハーフタイムにパク ゴンに代わり平井将生、オ チャンヒョンに代わり石津大介を投入。それぞれ1トップと2列目で起用し、より攻撃的な布陣へシフトした。この采配が福岡に同点ゴールをもたらすことになる。65分、武田のロングボールを平井がキープし、城後寿とのパス交換からクロス。これをゴール前に走り込んだ石津が右足で押し込み、2-2。ゲームはどちらに転ぶかわからない展開となった。
後半は守備の時間が増えた磐田だったが、このまま黙ってはいない。こちらも途中出場の選手が結果を残した。77分、小林祐希のパスを右サイドで受けた山田大記がクロス。これを「動き過ぎず、自分の前にスペースを作っていた」という阿部吉朗が得意のヘディングで押し込み、勝ち越し。ヤマハスタジアムのボルテージは最高潮に達し、壮絶な撃ち合いに終止符が打たれたかと思われた。
しかしながら、ドラマは終盤に待っていた。福岡に勝点1をもたらしたのは武田の左足だった。82分、磐田ゴール前でFKを獲得。狙ったのは壁の下だった。「壁に石津と金森に立ってもらい、『そこに蹴り込むからどいて』と伝えていた。GKから見えてないだろうなと思っていたので、気持ち込めて蹴った」(同選手)。左足で強くインパクトされたボールは石津のやや横、ジャンプした磐田の壁の下を通過し、ゴールに吸い込まれた。
幸運なゴールではあったが、いい位置でFKを獲得できたのは最後まで諦めずに攻めたからこそ。選手たちのファイティングスピリットがアウェイでの同点劇をもたらした。プシュニク監督も「0-2になった後、我々のプレーはよくなった。我々は“カムバック”した」と独特な言い回しで選手たちの奮闘を評価。価値ある1ポイントを得た。
一方、勝点2を失ったのは磐田。先制ゴールを決めた山崎も「“勝ち試合”だったと思う。もったいない」と肩を落とす。「序盤2-0で勝っていて、その後ちょっと全体的に落ちてしまった」と悔やんだのは森下。第2節・讃岐戦、第3節・熊本戦と同じようにリード後、“緩む”時間帯ができてしまった。「最後まで気持ちを切らさないことが大事。もう一度気を引き締め直さなければいけない」(駒野)。この一戦を教訓としなければならない。
以上
2014.03.23 Reported by 南間健治
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