甲府がJ1で戦った過去の4シーズンでJ1リーグのビッグクラブに勝って輝く夜空の下を気分よく歩いた経験は――クラブの規模・歴史を考えれば――少なくない方だ・・・と、思っている。しかし、対横浜FMでは、J1初昇格を果たした06年の最初の対戦(第9節)でバレーのゴールで勝って、「あのマリノスに勝った」と大喜びできたが、その後は1回も勝てずリーグ戦の通算成績は甲府の1勝3分4敗。現実は厳しい。あの頃の甲府はホームで勝てる方のチームだったけれど09年ころから段々とアウェイの方が勝率が高いかイーブンの傾向が強まった。その理由は書き難いことしか思いつかないので書かないが、3連勝中の優勝候補・横浜FMが相手だからこそ、ホーム・山梨中銀スタジアムで勝ちたい。大雪災害のダメージが癒えていないときだからこそ、その想いは強くなる。いつもはファン・サポーターに背中を押してもらうことが多いが、強いチーム相手に勝ってこそ伝わるメッセージもあるはず。
横浜FMは今月の2週目と3週目にACLのゲームが入り、3週目はメルボルン往復という厳しいスケジュールだった。その締めくくりとなるのがアウェイ甲府戦。メルボルン戦のメンバーは直近のリーグ戦とは大きく入れ替わっていたが、広州と引き分けた次のゲームでグループリーグ突破の可能性を高めることができなかったことは本当に残念。Jリーグの代表として応援しているので残りを3連勝すると信じて期待する。とは言え、チームとしての雰囲気やメンタル面がどういう状況なのか興味深い。リーグ戦はここまで3試合で6得点の失点ゼロで3連勝中の横浜FM。城福浩監督は、「相当な覚悟で戦わないと勝点3を取れない相手。リーグ戦3連勝にふさわしい内容の試合をしている。今年のマリノスのプレーに対する厳しさには、去年の悔しい思いがあるだろうし、今年はタイトルを取るという思い入れも感じる。甲府が受けに回って守りきれるチームではない。アグレッシブなプレーを続けられるかがポイント。自分たちの時間を作らないといけない」と去年以上の覚悟で挑む。
また、昨年横浜FMから獲得したDF青山直晃は、「マリノスとは宮崎キャンプのトレーニングマッチでも対戦しましたけど、本気のマリノスは違う。本気のマリノスと戦いたくて移籍した。あのメンバーに認められるようないいプレーをしたい」と、気持ちのエネルギー充填120%。いつでも発射できる状態。第1節・鹿島戦と第3節・新潟戦で自分のマークを外されて失点したことを悔やんでいた青山ではあるけれど、「もっと酷いことや悔しいことはあった。切り替えるだけ」と上手く決別している様子。昨年の対横浜FM戦2引き分けのうち、アウェイでは若干ラッキーもあったけれど青山のゴール(ヘディング)で勝点1をもぎ取っている甲府。「マリノスとの対戦は古巣という思い入れよりも、チャレンジ感が強い」という青山にとって、横浜FMにホーム山梨中銀スタジアムで勝利することは大事な通過点になるはず。この想いも勝利の重要な味付けにしたい。
甲府の前日練習では中村俊輔や富澤清太郎の特徴を警戒する声も聞こえたが、甲府が点を取らなければ勝点3はない。盛田剛平のワントップに対して中澤佑二をリーダーとする横浜FMのディフェンダーはより厳しい守備をしてくることが予想できるが、だからこその見所になる。ボールを繋ぐ技術の高さは証明しているので、ディフェンダーを経験したことで進化したFW盛田の駆け引きの質がハイプレッシャーの中でどう発揮されるのかスタジアムで注目してほしい。テレビにはあまり映らない、ボールのないときの駆け引きはスタジアムに居た人しか見ることができないサッカーの魅力。ボールが入る前の盛田VSディフェンダーの駆け引きはかなりハードになるはず。また、盛田を活かし、活かされるサポートの動きとコンビネーションが機能しなければ甲府の勝ち目は萎む。最近は決定力の無さを嘆くことができるレベルまで攻撃が進化してきたが、今節も横浜FM相手に決定機を1回でも多く作ることができるかどうか。クリスティアーノにはパンチ力が出てきたし、水曜日に公式戦を戦ったほうがコンディションが上がっているようにも感じるだけに期待は大きくなる。今季、1試合平均0.75得点のヴァンフォーレ打線が、リーグ戦無失点の横浜FMにチャレンジする第4節をリーグ戦初勝利の日にするためにみんなで戦おう。
以上
2014.03.22 Reported by 松尾潤
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