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【J1:第4節 大宮 vs 仙台】プレビュー:大宮は守備に、仙台は攻撃に――。それぞれ課題を抱えて挑む序盤の6ポイントマッチ。(14.03.23)

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前節アウェイ川崎F戦で、90分からの2得点で劇的な逆転勝利を挙げた大宮アルディージャだが、ホッとした空気はあったものの、概ね選手たちに笑顔はなかった。それもそうであろう。試合を通じてシュート数では24対8と圧倒され、特に後半はほぼ自陣から出ることもできないまま16本ものシュートを浴びたのだから。「ボールホルダーに対してプレッシャーがかからず押し込ませてしまった」(渡邉大剛)、「ボールを奪ってもつなぐ意識がなく、前線が遠くてクリアしかできなかった」(中村北斗)と、攻守において深刻な課題は残ったまま。大宮は伝統的に、「良い守備から良い攻撃につなげる」(大熊 清監督)チームだが、その守備が組織として守れていないのが問題で、「3試合で7失点は多すぎる」(菊地光将)。チームとしてプレスがかからず、最終的にボックス内に人数をかけて守ることになり、ボールを奪う位置が低く、そこからつないで攻めることができない。川崎Fの弱点であるセットプレーと、人数をかけて攻撃してきた裏を突いたカウンターと、家長昭博がその天才を発揮したスーパーゴールで4点を奪ったことは評価されるべきだが、もう少し「自分たちの時間を作る」(渡邉)ことができなければ、安定した戦いは望めないだろう。

対するベガルタ仙台は前節、ガンバ大阪をわずかシュート1本に抑え込み完封した。11本のシュートは得点に結びつかずドローに終わったが、「FWからディフェンスラインまでコンパクトに、積極的に前から守ることができた」(石川直樹)と、第2節まで連続2失点を喫した守備を見事に立て直した。仙台の課題は守備よりも、3試合で1得点の攻撃にある。引いて守っているわけではなく、ある程度高い位置で奪えているのになかなか決定機まで持ち込めず、シュートのほとんどがミドルシュート。「アタッキングサードに入ったときにどのようにプレーするのか」(グラハム アーノルド監督)、そこに仙台の苦悩がある。

大宮も仙台も、もともと堅守速攻とハードワークが身上の似たキャラクターを持つチーム同士だが、互いに新監督を迎えた今年は、両チームとも戦術の浸透は道半ばといったところ。試合の焦点は、互いに課題を抱える大宮の守備vs仙台の攻撃にある。
大宮は前々日の練習で11対11でのプレスの確認を入念に行い、「全員の意思で、ボールをどこで奪うというのを再確認した」(片岡洋介)。良い形でボールを奪い、攻撃につなげられれば、前がかりで来る仙台の高いDFラインの裏をズラタンやチョ ヨンチョルが突き、家長や渡邉が絡んでフィニッシュまで持ち込む場面も増えてくるだろう。
仙台ももちろん、アタッキングサード攻略を練って臨んでくるはず。ダブルボランチの1枚に、ここ2戦で先発したセンターバックが本職の鎌田次郎ではなく、G大阪から加入した攻撃的な武井択也の起用も匂わせている。左サイドバック二見宏志のロングスローという飛び道具もあり、必死で大宮ゴールをこじ開けにかかってくるだろう。

大宮にとって今の仙台に複数失点を喫するようでは、仙台にとっても今の大宮から決定機を量産できないようでは、この先を戦っていける自信は得られない。まだ第4節の時点だが、互いのチーム状況や順位を考えれば、この試合を落としたほうが今後の残留争いに巻き込まれていくといっても過言ではないだろう。両チームのサポーターにとっては痺れる試合になりそうだ。

以上

2014.03.22 Reported by 芥川和久
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