「恋するフォーチュンクッキー　ベルマーレバージョン」が先日、Ｙｏｕ　Ｔｕｂｅに公開された。絶賛ツッコミどころ満載中ということで、選手たちの気になるシーンに探りを入れてみた。

オープニングを飾るのはウェリントン選手。ＡＫＢ48の公式ＭＶの冒頭をベルマーレらしく再現したい！というスタッフのお願いに快諾したウェリ、入念に準備してきたかのようにまんま陽気なＤＪの風情だけれど、服装もヘッドフォンもすべて撮影当日にたまたま揃っていた自前のもの。セリフは通訳のカルロスさんがポルトガル語に訳したものだが、尺は音楽を聴きながら自分で合わせている。「フォーチュンクッキー」がなかなか言えず、何回も撮り直したという入魂の24秒だ。

続いて登場するのは「チーム新人＆２年目」。先日のベルマーレワンダーランドでもサポーターの皆さんに見本を示したとおり、こちらのパフォーマンスは盤石でスタッフも心配無用、豊富なバリエーションも彼ら自身のアイデアによる。なかでも高卒ルーキーの福岡将太選手は他チームの撮影にも駆り出され、カメラ横でひそかに合図を送っていたのだとか。ワンダーランドでも音頭を取っていましたね。

「チームアカデミー出身」のリズム感についてはコメントを差し控えたいが、負傷中の古林将太選手をメンバーみんなで招き入れ、踊りは限られたものの晴れて全員参加と相成った。

真面目な練習の成果がにじみ出るのは「チーム黒髪」。グルーブはともかく動きは合ってます。

続いて「チーム外国人顔」……って、そもそも外国人の方もいますけどね。そしてエデル選手はなぜいない。外国人顔より黒髪がまさったようで、「チーム黒髪」でしれっと踊っている。

ところで、そもそもこの独創的なチーム分けは、スタッフのオファーに応え、ＧＫ阿部伸行選手がコーディネートしたという。それぞれに意味を持たせ、選手をまんべんなく配置し、しかも出演回数を揃えるのはなかなかどうして難しく、かなり試行錯誤したのだそう。

「チームＵ−15つながり」は、かつて年代別代表で一緒にプレーしたことのある２人。移籍３日目にして緊急オファーを受けた藤田征也選手も、「左、右、左、左！」というスタッフの声に合わせて頑張りました。

満面笑顔は「チーム左利き」。最大派閥の彼ら、ほんとうに隅々まで笑顔です。

やはりというべきか、最も騒がしかったのは「チーム関西」。スタッフの指示が聞こえないぐらいワイワイやっていた。スタッフ的にはＯＫかと思いきや、本人たちが納得いかず撮り直しもしている。決めポーズは、福岡選手が「ハイ！」ときっかけを与えて合わせたもの。大槻周平選手が我慢しきれていないようだが、皆口々に「俺らが一番やな」とうなずきながら帰って行ったという。ちなみに「チーム幹部選手」にも加わっている大槻選手、選手会副会長だそうです。知らなかった……。

そして、多くのひとが気になっているであろうキャプテン・永木亮太選手のあのウインク。あまり早々とオーダーしたら嫌がるだろうというスタッフサイドのもくろみのもと、撮影直前にお願いしたのだとか。それでも「やだよー」と渋っていたが、いざカメラを回したら潔く決めてくれて一発ＯＫ！「キャー！」という女子スタッフの歓声を背に、そのままスタスタとその場を後にしたという。腹の括りっぷりと切り替えの速さはさすがです。

さらに、久々に帰ってきた「ベル八先生」。ベルマーレの元選手で、現在は営業本部長として活躍する坂本紘司さんが現役時代、観戦ルールやサッカーにまつわる質問に答えた人気コーナーのリバイバル。リズム感に難ありと聞いていたが、これまた見事に一発ＯＫ！さすが元キャプテン、本番での強さを発揮した。ちなみに、終わりに登場する通訳・カルロスさんの奥さま、エリカ夫人も「ベル八先生」以来の出演快諾です。

とさて、ここまででもう充分おなかいっぱいなのだけれど、ありましたよ、最後に最大級のツッコミどころが。曹貴裁監督と大倉智ＧＭのカット、結構しっかり使われている印象だが、当初はもうすこし短かったのだとか。これが不満だったらしい大倉ＧＭ、尺を延ばすようオーダーしたという。再編集した制作スタッフのご苦労をお察しします。このカットの隠れポイントは田村雄三テクニカルディレクター。満面笑顔の後ろで普通に仕事に集中しています。

と、それぞれにドラマ（？）があったベルマーレの「恋チュン」。クラブに係わる皆さんも多数出演し、観ているこちらも笑顔になる、湘南らしい作品に仕上がっています。

以上

2014.03.21 Reported by 隈元大吾