いよいよ雪溶けも進み、道路のいたるところに大きな水たまりが目に付くようになってきた3月中旬の札幌市内。そうしたなかで行われるこの第4節では現在勝点4で13位の札幌が、同3で17位の北九州を札幌ドームに迎えて戦う。昨シーズン最終戦で激闘を演じたカードだ。
ホームの札幌は前節、敵地で湘南と対戦して0−2のスコアで敗戦。前半の終わりころに先制点を奪われ、後半は果敢に攻め込んで同点を狙うも、逆に追加点を献上してしまう悔しい展開の試合だった。
「相手のプレッシャーに、試合を通して捕まってしまった」とは内村圭宏の弁。札幌はしっかりとパスをつなぐスタイルを標榜しているが、対する湘南はハードにプレスを仕掛けるのが身上。ある種、鉾と盾とのぶつかり合いのような噛み合わせではあったが、結果としては湘南のプレスが上回ったようである。そして「相手のほうが球際にきていた」と宮澤裕樹が続けるように、ホームの湘南は豊富な運動量を90分間保ち、札幌はその勢いに圧倒された印象が強い。
そしてフィジカルの強い相手のブラジル人FWに要所でそのパワーを発揮され、前後半にそれぞれ1失点ずつを相手に献上。「とくに攻撃は何もできなかったようなゲーム」と財前恵一監督が振り返ったように、ザックリと言えば完敗だったということだ。
ただし、相手の勢いに押されたように見えたなかでも、プレスをかいくぐってボールを運ぶ場面は幾度もあったし、ちょっと運があればゴールネットを揺らすこともできただろうから、必ずしもすべての面で湘南より劣っていたとも言えない。要所を抑えられるか、否か。難しいことではあるが、その部分を改善できれば、十分に上位進出も見えてくるはず。そうしたことも感じることができるゲームだった。それをこの試合に行かせるかどうかがカギとなりそうだ。
一方、北海道に乗り込む北九州の前節は、ホームで水戸と対戦して1−0で勝利。今シーズン初白星を挙げ、地元に歓喜を呼び込んだ。拮抗した展開のなかで退場者を出すという難しい試合だったが、まさにチームとサポーターが一丸となって勝点3を掴んだと言っていい。「開幕から2試合勝ててなかった中でこうやって勝ってサポーターのみなさんに喜んでもらえて本当に良かったなと思います」と柱谷幸一監督も、新シーズンの初勝利にひとまずは安堵した。
手応えも大きかった様子だ。リーグ戦を2連敗でスタートさせてしまっていたが、「開幕戦も2戦目も内容的には悪くなくて、ゲームの進め方も十分勝点が取れる試合ができていた」と柱谷監督は振り返っている。内容面にはある程度の充実度を感じていながらも、それを結果へと結び付けられないもどかしさを見事に振り払った勝利だけに、チームに与える好影響も大きいはずだろう。得点も原一樹、大島秀夫という、途中投入したFW2人が演出したもので、様々なポジティブ要素を生み出しそうでもある。
ただし、指揮官は手綱を緩める気配はいっさいない。完封での快勝ながらも「我々は守備をベースにやっていかなければいけないので、次のゲームも(失点が)ゼロになるように繋げていかないといけない」と、この結果を続けて求めていく構えだ。次戦も好結果を出してこそ、水戸戦の勝利の意味は大きくなるということなのだろう。
さて、そんな両者が激突するこの試合の焦点は、北九州の守備を札幌がどのように崩していくのかという部分だろう。前述したように守備をベースとして戦う北九州は、アウェイゲームであることを考えても、しっかりとした守備網を築いて挑んでいくはず。それに対して札幌はアグレッシブなオフェンスが売りであるとともに、湘南に零封された悔しさもあり、より積極的に前に出ていくことが予想できる。そうした攻守のせめぎ合いが、勝敗の分岐点になることは間違いない。そして前回対戦である昨シーズン最終節を思い出すと、札幌は北九州の堅守を最後まで崩すことができず、「J1昇格プレーオフ」進出をあと一歩で果たすことができなかった。そうした意味でも、より強い意気込みでホームチームがゴールに迫るはずだ。
札幌が押し切るのか、それとも北九州が堅守からチャンスを見出すのか。一瞬も見逃せない、緊張感溢れる展開となりそうだ。
以上
2014.03.21 Reported by 斉藤宏則
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