日頃出番の少ない選手たちが自分の力をアピールし、取るべき人がきっちりと決定力を発揮。さらに締めるべき人が締めて今季初完封。清水としては、さまざまな目論見を成功させつつ、結果もきっちり伴ったヤマザキナビスコカップ開幕戦となった。
両チームともどんなメンバーで臨むかが注目された先発布陣は、J1第3節から清水が6人、仙台が5人を変更。どちらも守備陣はあまり大きく変更せずに安定性を維持し、攻撃陣で新戦力をより多く試すという形をとった。
清水のほうは、高木純平(トップ下)、高木善朗(左ウィング)、六平光成(左ボランチ)の3人が今季初スタメンで、とくにオランダ帰りの高木善は、日本での3年ぶりの公式戦(清水での初出場)。また、六平と竹内涼という攻撃型の2人でボランチを組んだことも注目された。仙台は、清水から期限付き移籍中の八反田康平が仙台での初出場を果たして左MFに入り、マグリンチィがいつもと逆の右MFとして先発。赤嶺真吾が今季初先発で、武藤雄樹がトップ下に入った。
序盤は、両チームともミスが目立つ中、仙台のほうが早くエンジンがかかり、清水守備陣の隙間でしっかりとパスをつないで主導権を握る。そして15分、17分と決定機を作ったが、これは決めきれない。その後は逆に清水のほうが良い形を作り始め、21分に高木純と吉田豊のコンビネーションから吉田が右クロスを入れ、ファーサイドに流れてフリーになった長沢駿が長身を目一杯伸ばしてヘッド。これがゴール左隅に決まって、清水が先制点を奪った。さらに32分には、良い位置で獲得したFKを大前元紀が正確な右足キックで決めて2点目。大前は、本来は先発する予定ではなかったが(当初は金子翔太を先発させる予定)、リーグ戦で2連敗していることもあり、絶対にホームで勝ちたいというアフシン ゴトビ監督の思惑もあって前日にチームの勝利を託された。そんな中できっちりと結果を出すところは「本当にさすが」(金子)と、後輩にも頼もしい姿を見せつけた。
後半も、立ち上がりは長沢のシュートがバーに当たるなど清水が先制パンチを放ったが、そこからは再び仙台が主導権を握って、後半6分と8分にビッグチャンスを作った。しかし、これも決めきれない。ここで仙台が2−1に追い上げていれば、試合展開もどうなるかわからなかったが、清水は後半16分にノヴァコヴィッチを投入して試合を決めにいき、そのノヴァコヴィッチが23分にカウンターから期待通りに決めて3点目。その後も清水がカウンターや裏への飛び出しでチャンスを重ね、29分には長沢がロングボールで裏に抜け出し、GKの直前で左にパスしてノヴァコヴィッチが押し込み4点目。長沢はそれまで2点目のチャンスが何度かあった中で決めきれなかったが、ここでは冷静にチームプレーに徹したことを、ゴトビ監督も「チームとしてこれから良くなっていくために必要なこと」と高く評価した。
終盤は、意地の反撃に出た仙台が押し込む場面を多く作り、チャンスも作ったが最後まで決めきれず4−0のままタイムアップ。仙台の決定力不足というアシストもあったが、平岡康裕、カルフィン ヨン ア ピン、GK櫛引政敏を中心にゴール前で身体を張って守った清水が、今季初完封を実現した。
今季の公式戦初勝利が持ち越しとなった仙台は、やるべきサッカーができていた時間帯もあり、チームとして大崩れしたという印象はないが、清水に簡単に決定機を与えていた守備は修正が必要だろう。やはり、まだ新たなチームの構築過程という印象が残るゲームだった。
一方、清水のほうは、長沢が清水復帰後の初ゴールを決め、注目の高木善も徐々に持ち味を発揮して後半は多くのチャンスに絡み、後半26分には左ポストを直撃するシュートを放った。ボランチのコンビも時間が経つごとにセカンドボールを拾えるようになってリズムをつかみ、落ち着いたボールさばきで自分たちの良い面を発揮。サポーターの期待が大きいルーキー・金子も、3点目が決まった後で大前との交代でプロデビューを果たし、可能性を感じさせるプレーを何度か披露。4−0という結果も含めて非常に収穫の多いゲームとなったが、それらを次節・浦和との無観客試合(3/23@埼玉)で生かせるかどうかが何より重要になる。
以上
2014.03.20 Reported by 前島芳雄
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