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【J2:第3節 山形 vs 岐阜】レポート:3得点の山形、ホームで今季初勝利! 岐阜は難波の3試合連続ゴールで食い下がったが今季初黒星。(14.03.17)

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開幕3試合目にして挙げた初勝利。試合前、「雪の環境を言い訳にしたくない」と語っていた石崎信弘監督はホームで初の采配を終え、「サポーターの皆さんが雪かきして今日のゲームができましたし、その前のトレーニングの部分でも雪かきをしていただいたお陰でグラウンドで練習ができた。サポーターの皆さんに勝点3をプレゼントできて本当によかったと思います」と感謝の気持ちを表した。開幕からの2試合で手ごたえは大きくなっていた。それを無駄にしないために、このタイミングで是が非でも勝点3が欲しかった。公式記録の気温は5.4度と外気はいまだ冷たかったが、ふくらんだ蕾がついにほころぶように、開けたドアから春の空気がいっぱいに取り込まれるように、スタジアムは何かから解き放たれたような特別な感覚に包まれた。

キックオフ4時間前から雨が降り出していた。さらに季節が進めば、芝を濡らした以外の水分は土に染み込み、パスサッカー向きの絶好のグラウンドになるところだが、数日前まで雪の下に埋もれていた土は水を引き込む余裕がなく、ピッチのところどころで水しぶきがあがった。「できればもう少し1タッチ、2タッチで前のほうで崩せればいいんですけど、今日はあまりそういうことをするグラウンドコンディションではなかったので、シンプルに裏を狙って、その後の2次攻撃、3次攻撃というのを多少意識しました」(萬代宏樹)と山形は状況なりのプレーを選択。積極的にボールに絡む宮阪政樹のプレーでボールを支配すると、試合開始以降、何度か破りかけていた左サイドの攻撃から得点につなげたのは25分。最終ラインまで下りた宮阪が左スペースを突くフィードを飛ばす。それを受けた舩津徹也が仕掛け、萬代を経由してスイッチした伊東俊が、1度目のシュートは弾かれたものの落ち着いたリアクションで跳ね返りをゴールネットに突き刺した。山形は今シーズン、初めての先制、初めてリードする展開となった。

逆に、今シーズン初めてリードを許す展開となった岐阜は、三都主アレサンドロが筋肉系のトラブルで大事を取り欠場。左サイドバックに入った野垣内俊は体を張ったシュートブロックなど守備面で特長を出したが、セットプレーのほか、攻撃の起点として敵陣に精度の高いボールを送ってきた三都主の不在はやはり攻撃の迫力に影響を与えていた。また、強力な武器にしている敵陣での空中戦も、この日はナザリトがイ ジュヨンに抑えられるシーンが目立ち、中盤では水野泰輔がシンプルに前に付けながらチャンスをうかがっていた。はっきりと流れが感じられたのは、先制を許した後の時間帯。水野のパスを受けてスティッペと難波宏明がパス交換しながら、最後は難波の折り返しにナザリトがヒールで合わせた27分のプレーや、GK川口能活のパントキックからやはり左右に揺さぶりナザリトのシュートにつなげた34分のプレーは決定的なシーンだったが、決めきれなかった。

後半はポジションを右に移した高地系治のクロスの跳ね返りを野垣内が直接蹴り込むなど、岐阜に若干の変化は見られたが、試合は概ね山形ペース。迎えた71分、左60度、約25メートルと宮阪がもっとも得意とするエリアでのフリーキックを得ると、宮阪は狙い通り壁を越えてキーパーの手前でバウンドするボールを蹴り込んだ。「もう見ての通りで、フリーキックを外に弾けば失点はなかった」と悔しがる川口は、ピッチコンディションの難しさもあり、結果的に正面にボールを残してしまったところへ、直前まで阿部正紀と激しくやり合っていた萬代が阿部を振り切り、ゴール前まで詰めてボールを蹴り込んだ。

直後にコーナーキックから、岐阜は木谷公亮の折り返しを泥臭く押し込んだ難波の3試合連続ゴールで1点差に詰め寄るが、山形がコーナーキックを得た75分、阿部のクリアを伊東が拾い、右サイドを突いた舩津に預けると、舩津は低いクロスをニアへ。杉山新と木谷に挟まれながらディエゴが飛び込むと、そこでボールのコースがわずかに変わり、ニア寄りにポジショニングしていた川口の右手をかすめて内側からサイドネットを揺らした。このあとはやや大味な展開になったが、アディショナルタイムに途中出場の田中秀人のクロスを高地がスルーし、ナザリトが決定機を迎える。しかしシュートは空振りに終わり、再び詰め寄ることなく試合は終了した。

今季初勝利を挙げた山形・石崎監督は「今日はセットプレーからの失点で済んだと思うんですけど、違う形で失点する可能性も多々あった」と散見された潜在的なリスクに言及し、「20本以上は今日なんかでも打ててたんじゃないか」と記録に残らないミスを拾い上げる。この試合は3得点で勝てたが、「優勝したい」が今年口癖の指揮官は、欲張る姿勢をさらに強くした。一方で、3連勝がならなかった岐阜・ラモス瑠偉監督は、「強いチーム」と認める山形の気持ちの充実も受け止めながら、「本当に難しい試合だったんだけど、そこでも入って、気持ちだけ負けないでやってくれたことがすごいよかったんじゃないかなと思います」と、先発のチャンスをつかんだ野垣内や、この試合がJリーグデビュー戦となった途中出場の遠藤純輝を讃えた。

以上

2014.03.17 Reported by 佐藤円
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