互いにチームの特色を出したゲームは結局スコアレスのドローとなった。
先発は、栃木が「トレーニングを見て」(栃木・阪倉裕二監督)と、コンディションを上げた大久保哲哉を先発させ、京都はバヤリッツァがコンディション不良でメンバーにも入らず、一方アレッサンドロが先発に復帰した。
ゲーム序盤は、栃木が狙っていたカウンターの鋭さを見せた。4分には京都のCKから、11分にも京都のパスミスを奪って素早く京都陣内に攻め込んだ。
だが、京都もシュートの意識は高く、20分アレッサンドロ、26分に山瀬功治、32分には駒井善成が右サイドで相手の股を抜くドリブルからシュートまで持ち込んだ。栃木のシュートはサイドからの攻撃のこぼれ球をフィニッシュまで持ち込むというものだった。
後半に入ると京都が落ち着いてボールを回し始める。だが栃木も京都の一瞬の隙を突く縦のボールで裏を狙う。後半8分には京都陣内でワンツーで抜け出すと京都DFの裏を廣瀬浩二が抜け出した。
後半の京都の攻撃は大黒将志、アレッサンドロを狙ったものが多く、栃木DFのチャ・ヨンファンとドゥドゥとのマッチアップは今節の見どころとなった。さらにサイドからのクロスも増え、そのこぼれ球を後半25分に工藤浩平、同34分には山瀬、同37分ジャイロと次々にシュートを放つ。
攻め込んだ京都だったが1点が遠く、追加タイムにもFKのチャンスにGKオ・スンフンが上がりヘディングシュートを放つなど、京都、意地は見せたがゴールは生まれず。結局0−0の引分けに終わった。
試合後、栃木・阪倉監督は「しっかりした守備を行って、いい形で奪ってカウンター」という形を準備していたと明かした。その意図はしっかりと表現されていたと言っていいだろう。カウンターでは大久保が体を張って起点にもなろうとしていた。ただ、連続ゴール中の瀬沼優司は攻撃より守備での貢献度の方が高かった様には見え、物足りなさはあった。
栃木はチーム全体に重心が後ろに傾いた感じはあったが、中盤の西澤代志也のスペースへの飛び出しは鋭いものがあっただけに、栃木がホームで戦う時、多少のリスクを背負っても前に出ようとする時は今節とは別人の様な迫力が生まれるのではと感じさせた。
対して京都は、無得点に終わったことが大きかった。会見でバドゥ監督は「前半はあまり良くなかったかもしれない」と反省の弁から入ったのには正直、驚いた。
ゲーム全体を見れば、今出来る範囲のことは出来たのではないかと感じさせた。両サイドを広く取るスタイル、今節は前半から比嘉祐介もボールに多く絡んでいた様にも感じた。守備でもカウンターを受ける場面は多かったが落ち着いていて、ゴール前では相手よりも先に触っていたのではないか。そして跳ね返した後もボールへのプレスも反応早く、相手の攻撃精度を落とす効果は十分あった様に見えた。
全体的にのんびりした感じを受けた方も多いかも知れない。実際に遅い感じはあったが、両サイドを広く取っての戦いがこなれてくればこれも薄まるのではないだろうか。
試合後、山瀬功治は「1戦目、2戦目に比べれば良くなっていると思うので、そのいい所を拾いながらやっていくことが大事かなと思います」と自身の考えを述べたが、その通りだろう。良いプレーも随所にあったのだから、それを自信にしても良いのではないか。
以上
2014.03.17 Reported by 武田賢宗
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