互いに奪い合い、隙を突き合ってゲームを進めた前半から、後半の早い時間に群馬が2得点を重ね、リードを保ったまま群馬が勝利した。本能的に動けた群馬に対し、自らをどこかに縛りつけているかのような固さが抜けない岡山。そんな印象の残るゲームだった。群馬・秋葉忠宏監督の「今週1週間、トレーニングをしてきた裏への対応であったり、ビルドアップからフィニッシュまでであったり、人もボールもしっかりと動かしながら、しっかりとボールを握りながらゲームを進められた。見ている方もやっている方もハッピーになる、こういうサッカーがあるから、日々の辛いトレーニングに耐えられる」という言葉は現在の岡山には突き刺さるが、岡山が出来ることを数え上げれば、悲観的になっている暇はない。
前半、単発の攻撃に終わることは多かったが、岡山はボールを奪いに行きフィニッシュまで持ち込んだ。今季初スタメンの石原崇兆は最初の15分間、シャドーのポジションでプレスをかけ、妹尾隆佑と右サイドを制しながら起点を作り、荒田智之、押谷祐樹はボールを奪う不断の戦いをした。今季初出場の植田龍仁朗からのボールを押谷が受けて荒田へ渡すシーンや、右ワイドに入った石原と押谷のリズムのあるコンビネーション、フリーになった押谷のシュートなど、これまでのゲームの中でもっともゴールの匂いのする時間だった。
しかし奪って前に進めるスピードで上回ったのは群馬。小林竜樹の「3人目の動き」に象徴されるが、中盤から前線の選手が流動的に動き、広いエリアを走ってチャンスを作り出していた。さらに群馬は「(前半)相手の足を奪おうとチームプランを持っていっていたので、前半に得点できなかったことは気にせず、相手の足が止まってきた時に仕留める時間を作れたらいい」(小林)という狙いがあった。群馬のプラン通り、後半4分、左サイドからのボールに永田亮太がヒールでアクセントをつけ、背後の夛田凌輔が左足で決めて先制に成功する。さらにその8分後の後半12分、セカンドボールを拾った加藤弘堅が前に運び、預けられた左の瀬川和樹がクロスを送り、平繁龍一が頭で合わせて追加点を決める。平繁の2試合連続のゴールは理想的な形で決まった。
追う岡山は後半43分、途中交代で入った久木田紳吾のクロスに同じく途中交代で入った林容平が合わせて1点を返すが、反撃はこの1点にとどまった。得点を重ねた群馬はさらに自信を持って、失点した岡山は自信をかき集めて戦った残り時間。1失点はしたものの、群馬の守備は前節から粘り強さを発揮し続けている。
しかし岡山にも兆しはある。「触れば入るボールでした」と事も無げに決めた林容平のテクニックはやはりさすがだと言えるし、後半頭から投入された久保裕一へのくさびのボールと潰れ役としての動きは、今季岡山のあるべき姿として期待を抱かせる。また90分間続いた押谷祐樹の献身など、より明るく輝く熱源が見える。徐々にではあるがパワーが高まっていることは間違いない。岡山・影山雅永監督が「勝つことによって遊び心や余裕が出るところはある」と話すとおり、より岡山らしいパフォーマンス実現のために、まずは今季最初の勝利を次節で掴みたい。
以上
2014.03.17 Reported by 尾原千明
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