ここまで公式戦ではホーム2連敗中だったC大阪。しかし、J1第3節・清水戦では、終わってみれば、4−1と大勝。1999年シーズン以来、リーグ戦ではホームで清水に負けていないという相性のよさを、この試合でもそのまま発揮し、ヤンマースタジアム長居での今季初白星を得た。これでリーグ戦では連勝となったC大阪は、まだ3節終了時点とはいえ、3位に浮上した。
一方の清水は、「今日の試合は1−4という試合ではなかったように思う」(アフシン ゴトビ監督)、「正直、前半やっていた感じでは、負ける気がしなかった」(大前元紀)というように、前半は主導権を握りながら、ゴールはJ1通算100試合出場を達成した大前のPKによる1得点のみ。決め手に欠き、またも鬼門を突破できなかった。
「私たちにとっては非常に重要な試合だった。メディアの方々が、開幕してからホームで(公式戦)2連敗ということで、そういう雰囲気を作られていたこともあり、選手たちもプレッシャーを感じていたとは思うが、こういう結果が出て、非常に満足している」、C大阪のランコ ポポヴィッチ監督は試合後の会見冒頭でこのように述べていたが、ACLの山東戦でのショッキングな敗戦もあり、指揮官を筆頭に、チームに緊張感が走っていたのは確かだ。
ただ、そのなかでも、その山東戦の教訓を活かして、C大阪は試合直後から、「勝ちに対する執念、ハングリーさ、どん欲さをしっかり見せることができた」(ポポヴィッチ監督)。相手に与えたFKの数は18。ファウルが多かったことは、決して褒められるべきものではないが、裏を返せば紙一重の勝負に向き合っていた証でもある。何とかマイボールにしようとする姿勢、『絶対に負けない』という強い気持ちが、南野拓実、山口蛍らをはじめ、桜色の戦士たち全体からひしひしと伝わってきた。そんな球際の激しい攻防、プレーが随所に見られた。
また、ゴールへの執着心でも、C大阪は全体の意識が高かった。試合の流れがよくなかったなかでも、15分、先制点を奪ったのは、左サイドバックの丸橋祐介。山下達也からのロングフィードに飛び出し、清水の右サイドバック・石毛秀樹を振り切って、難しい態勢から気迫でゴールを決めきった。また、1−1となったあとの32分にはショートコーナーから、酒本憲幸の右クロスに、山下がヘッド合わせて、再び勝ち越し。前半を2−1で終えると、後半は南野を中心に攻撃陣が躍動。前線のフォルランへ、立て続けに決定機を作り出す。そのフォルランはゴールこそならなかったが、これまでの試合に比べて、特に清水戦後半はチャンスに絡むシーンが増え、今後に期待を抱かせた。終盤には、CKからゴイコ カチャルが移籍加入後初得点を決めれば、終了間際にも杉本健勇が、前半に自身のファウルで与えたPKの汚名返上と言わんばかりのゴールを右足で叩き込んだ。ゴール後のコール&レスポンスが幾度も行われ、得点者の名前がスタジアムに鳴り響く。桜色のサポーターは、ホームでようやく歓喜に沸いた。
ただし、「勝ったことはよかったですが、4点以上取れるチャンスはあったので、それを決めないと、いつどこで痛い目を見るかわからない。そういうところから、しっかり決めていかなくちゃいけない」(山口)、「チャンスがあったなかで、1点しか取れていないし、まだまだ反省しないといけない」(杉本)、「ちょっとディフェンスラインがバタバタしていたところがあり、ピンチになった場面もあったので。守備のところはもう1回話し合いたい」(酒本)と、それぞれ課題を口にしていたC大阪の選手たち。見据える先は、さらなる高み。すでに次のACL、18日のブリーラム戦(19:00/長居)に向けて、気持ちを切り替えていた。
一方の清水は、前半こそC大阪を上回るような戦いを見せ、相手ゴールを脅かし続けたが、ノヴァコヴィッチをはじめ、好機を活かせずにいると、後半に失速。「今日の試合の差は、チャンスを決めきるところ。C大阪はチャンスが来たときに決めきることができ、我々にはそういったところでの鋭さが足りなかった」(ゴトビ監督)。この試合では、杉山浩太の出場停止を受け、カルフィン ヨン ア ピンがボランチに入り、右サイドバックに石毛を起用するなど、前節から4選手入れ替えて臨んだが、攻守に課題を露呈する形となった。
以上
2014.03.16 Reported by 前田敏勝
J’s GOALニュース
一覧へ- 2024 明治安田Jリーグ終盤戦特集
- アウォーズ2024
- 2024J1昇格プレーオフ
- 2024J2昇格プレーオフ
- J3・JFL入れ替え戦
- bluelock2024
- 2024JリーグYBCルヴァンカップ
- Jリーグ×小野伸二 スマイルフットボールツアーfor a Sustainable Future supported by 明治安田
- AFCチャンピオンズリーグエリート2024/25
- AFCチャンピオンズリーグ2 2024/25
- はじめてのJリーグ
- FIFAワールドカップ26 アジア最終予選 特集ページ
- 2024天皇杯
- 明治安田Jリーグ 月間表彰
- 2024Jユースカップ
- シャレン Jリーグ社会連携
- Jリーグ気候アクション
- Jリーグ公式試合での写真・動画のSNS投稿ガイドライン
- J.LEAGUE CORPORATE SITE
テレビ放送
一覧へ明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off