横浜FMが徳島との力量の差を、そのままアウトプット。主導権を握り続け、点を取るべき時に取り、3点を重ねた完勝劇だった。逆にシュート4本に終わった徳島は、改めて厳しい現実を突き付けられた一戦だったに違いない。
ただし序盤、徳島には待望のJ1初ゴールを奪うチャンスがあった。4分、アレックスの左CKにニアで合わせた千代反田充の迫力あるヘディングシュート。この試合のファーストシュートだ。続く7分には再びアレックスが蹴った左FKから188cmの長身・高崎寛之が競り勝ち、クレイトン ドミンゲスが詰める。これは惜しくも合わなかった。このどちらで徳島がゴールネットを揺すっていれば、結果はともあれ、試合のスリル度が増す別な展開が待っていただろう…。
結局、先制点を奪ったのは、横浜FMの方だった。奪った男は富澤清太郎。右FKから中村俊輔が鋭いボールを送り、ポマードでガッチリ固められた頭にジャストミート。「セットプレーは特に注意はしていたんですけど、やっぱり質のいいボールと中で合わせるタイミングで守り切れなかった」。斉藤大介が振り返ったように、わかっていても防ぐのが困難なほど、高質な一撃だった。
その後、前半はほぼワンサイドゲームに。徳島は高い位置から圧力を掛けてボールハントを狙ったようだが、横浜FMは余裕をもってボールを回す。それは「相手のボランチの選手が深い位置まで下がってきてパスコースをつくられていので、ボールを取りに行きづらかった」(高崎)ため。横浜FMは、アンカー富澤がどっしり中盤の底で構え、ボランチ中町公祐、中村らが引いて常に複数のパスコースを確保し、相手のプレスを回避し続けた。
逆に徳島は、相手のプレスに苦しみ、ボールを繋げない。クリアするのが精一杯となり、それもほとんど横浜FMに拾われた。とはいえ、徳島は最終ラインと中盤で2層をつくるゾーンディフェンスで粘っこく守り、追加点を許さないまま後半へ。
徳島にとって一番悔やまれたのは、2点目の失点だろう。60分、相手を中央約25m付近で倒し、FKを与えると、中村が低い弾道のキックで直接狙う。これはGK松井謙弥が弾くも、こぼれ球の競り合いで一瞬反応が早かった栗原勇蔵に中へ蹴り込まれ、フリーの伊藤翔にゴールを献上。ボールに対する集中力の差で劣り、失点に結びついてしまった感がある。それは技術・戦術の改善前にJ1で戦う上で必要なこと。この失点を今後の教訓にしたい。
そして、ラストの3点目。これは横浜FMのオフェンスがすばらしかった。77分、左サイドで下平匠が縦パスを送り、齋藤学が落として藤本淳吾へ。前を向いた藤本は相手DFを引きつけ、三門雄大とのワンツーリターンから冷静にフィニッシュ。ダイレクトパスを2つ交え、リズムカルに敵の守備ブロックを崩したパスワークは、今後も守りを固めてくる相手に有効なはず。今回その中心にいた藤本は、天性のものなのかボールを受けるためのランニング、タイミングが秀逸。前節の清水戦でもワンツーで好機を生んでいだ。藤本が評判に違わぬ実力で、トロコール軍団に新たな武器をもたらしている。
以上
2014.03.16 Reported by 小林智明(インサイド)
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